魔石の時代
第五章
そして、いくつかの世界の終わり3
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にも治療が必要だ。もちろん、僕らも軽傷という訳ではない。それに、
「急いでアースラに戻ろう。さすがに、いつ崩壊してもおかしくないからな――」
それはあくまでも、時の庭園の話だった。少なくとも、僕自身はそのつもりだった。
だが、
「どうやらそうらしいな」
世界が再び悲鳴を上げる。
『義理堅いねえ。どこぞの杯にも見習わせたいもんだ』
「いや、アレもこれくらいはしてくれるだろ。都合よく世界を滅ぼせるんだから」
『そりゃ違いねえな』
プレシア・テスタロッサが従えていた八つのジュエルシードは、戒めから解き放たれ、輝きを増す。彼女の本当の望みは世界の滅亡などではない。それでも、その魔石はあくまでも世界を終わらせようとしていた。それとも、ただ単に暴走しているだけなのか。
だが、いずれにしても――
『みんな、急いでそこを離れて! 次元断層が――!』
これで、世界が滅びる。今さら封印などできない。ディストーションシールドで抑え込む事も不可能だろう。そんな中で、
「さて、管理局。取引をしよう」
あくまでも落ち着き払った態度で、御神光は言った。
「取引、だと?」
この期に及んで何を――そんな呻きが言葉になる前に、彼は告げる。
「テスタロッサ親子およびその使い魔の身柄の解放。それを約束してくれるなら、その対価として俺があの魔石を破壊してやる」
そんな事が出来る訳がない――そう怒鳴りたくなったが……その反面、この状況でこの男がそんな無意味な嘘をつくとは思えなかった。
「できない事はないだろう? 被疑者死亡にするなり、ロストロギアに乗っ取られて正気を失っていたとか何とか適当な嘘をつくなり、色々と手段はあるはずだ」
それに、アンタはそういうの得意そうだしな――御神光は、艦長を見ながら笑う。
「確かにアンタ達が受け取る褒章はなくなるだろうし、むしろ始末書の一枚や二枚書く羽目になるかもしれないな。それを避けるために世界の二つ三つ滅ぼしてもかまわないというなら……まぁ、それはそれで仕方がない。もっとも、そんな連中にフェイト達の身柄を預ける訳にもいかなくなるが」
相変わらず嫌な言い方をする。この状況で、そんな迂遠な言い方で脅迫しなくてもいいだろうに。
「……本当に、ジュエルシードを破壊できるのね?」
艦長が呻く。だが、この状況で、そんな言われ方をすれば――いや、そうでなかったとしても、この状況であればその取引を飲むより他にないじゃないか。まったく、こんなことなら素直に脅迫してくれた方がまだ気が楽だった。
「もちろんだ」
ああ忌々しい。さも当然のように言い切りやがった。大体、ここで僕らが頷かなかったら滅びるのはお前達の故郷なんだが――そう思うが、ここで彼を責めるのは筋違いだろう。何故か。そんな事は決まっている。
「分か
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