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DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第二十二話
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ラディーンの苦しげなうめき声も収まっていく。

 それを見て、セモンは悟った。なぜ、ガラディーンが《主》に服従していないのか、その理由を。

 ()()()()()()色の瞳を持っている存在は、全て《主》に対して絶対服従の感情を抱くようになるのだ。

 ガラディーンの瞳は灰色だった。つまり彼女は、あの時点では《主》に服従を強制していなかったわけだ。

 だが今、その瞳は()()色へと強制的に変貌させられていく。

「やめろ……やめてくれ!! そうが痛がっている……苦しんでいる……!!」
「キミに止める権利はないはずだけどなぁ、シャノン。彼女(ガラディーン)は僕のモノだよ?」

 くつくつと笑ってシャノンを見る《主》。それを受けて、うずくまっていたシャノンが立ち上がる。
 
 その顔に浮かんでいるのは、憤怒。目を見開いて、《主》を睨み付け、漆黒の波動を纏った双巨剣を振りかざし、

「否違う!! そうは……僕のモノだぁぁぁぁっ!!」

 絶叫して、《主》に切りかかった。

 セモンの眼が捉えきれないほどの凄まじいスピード。ハザードすらも瞠目しているところを見れば、彼にも見えなかったのだろう。

 今間違いなく、シャノンは過去最速の、人類種すら超越したスピードで、《主》へと斬りかかっていったのだ。

 だがそれを、《主》は興味のなさそうな顔で見つめて、小さくつぶやいた。

「悪いね、効かないんだ」

 ガァァン!! という激しい音が鳴り響く。《主》の周辺を取り囲むように出現した、半透明の紅蓮色のドームが、シャノンの双巨剣を抑えているのだ。

「馬鹿、な……」
「まあ実際のところ、所有権なんて宣言したら彼女に怒られてしまう。僕は怒られるのが嫌いでね。さっさと終了させて土下座しよう。
 『アクセス、ユニットID【サタナイル】

   ――――《惟神》――――

      《憤怒(ira-wrath)》』」

 《主》が右手を突き出すと、そこを中心に、一瞬だけ空間が(ひず)んだ。衝撃波が発生したのだ。

 何の変哲もない、ただの衝撃波攻撃。だが、それがもたらした効果は絶大だった。

 突如、ズガァァン!! という凄まじい音が背後から聞こえた。あわてて振り返れば、なんといつの間にかシャノンがそこまで吹き飛ばされ、地面に落下しているではないか。恐らく先ほどの音は、彼が壁に叩き付けられた音だったのだろう。だが、その壁には傷一つない。

「なんてこった……」

 ハザードの口から、かすれた驚愕が漏れる。

「がぁ、は……」

 口からおびただしい量の血を吐き出しながら、シャノンは起き上がる。

「キミの《破壊》の『世界願望』
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