忍び寄るは何者か
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「次の質問よ、あんたは何者なの?」
「自分、グラトニー。それ以外何も無い」
「いやそうじゃなくて……私達と同じ人間? それともエレメリアン?」
「自分……自分は――――」
『エレメリアンで良イゼ。というか男の時もダガ、女の時は本当にエレメリアンのそれだかラヨ』
涎を啜る動作に合わせて、ラースは考える時間も無く普通に言った。 グラトニーはラースの言った事同じ内容の言葉を、正直に口にする。
「エレメリアン、自分はエレメリアン」
「! ま、マジか……!?」
「マジ」
「なるほどね……そうじゃないかと薄々思ってはいたけれど」
テイルブルーは最初から予想していたか意外と驚きは少ない。テイルレッドは予想はしていたものの、やっぱり真実を聞くと驚きが勝る、といった感じのリアクションだ。
念の為だろう、レッドとブルーは武器の柄を強く握る。
「ラストよ……アナタは人間の属性力を食べるの?」
その質問には、ラースも少し考えざるを得なかった。
ラース自身はこの世界では食べないとは言ったが、それはグラトニー……瀧馬の体から抜け出た際の話。
非常時になった場合は本当に止むをえなくなる為、必ず食べないと約束しきれないのだ。
それを踏まえて、ラースは間とも取れる答えをグラトニーに告げる。
「強い人少ない、美味しくない。それに私、食べる理由無いから食べない」
「……その言葉に嘘偽りは無いわね?」
「嫌いなモノ、進んで食べる?」
「! ……へぇ、中々分かりやすい例えしてくれるじゃない」
嫌いなモノは進んで食べない、食べる理由は無いから食べない……つまり、裏を返せば嫌いだろうとも理由があれば食べるという事でもある。
何とかそれを悟らせずに逃げ道を紛れ込ませ、取りあえずこの場は乗り切る事が出来た様だ。
三つ目で質問は打ち止めとなったか、テイルブルーは属性玉を持った手を振りかぶった。
「それじゃ……はい、約束通りこれあげるわ」
「あ、あっあっ! あ〜、ハクッ」
「投げた属性玉を口でキャッチした!?」
「なんか、犬に餌やってる気分になってきた……」
『クハハハハ! 犬だマジで犬だよ相棒! ク、クク、クハハハハハ!!』
馬鹿笑いするラースには構わず、グラトニーは嬉しそうに 属性玉を舐めて噛み砕き咀嚼し、音が聞こえそうな動作で呑み込んだ。
食事後に二人の方を向き、満面の笑みを浮かべて軽く手を振る。
「バイバイ、じゃね」
『よッシ、今回も目的達成! さっさとトンズラするゼェ!』
一瞬でワープしその場から離れ、座標を間違ったか瀧馬の家の裏手の
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