忍び寄るは何者か
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……」
「それも謎なのよね。異常なまでの食欲を持っているのは同意するけど、本当に食欲が固まって生まれたのなら問答無用で喰らいついてくる筈だわ」
「しかしグラトニーちゃんは、属性玉で釣ったとはいえちゃんと答えてくれましたよね? 愛香さんの質問に」
何と厄介な存在なのだろうか……グラトニーから聞き出し目的や正体を知る事が出来た様でその実、彼女の知らぬ所で大きな問題を押しつけてきた。
が……考え始めて数分後。ふと、トゥアールが何かに気が付いた様に眉を上げ、呟く様に言葉を紡いだ。
「いえ、もしかすると……単純だからこそなのかもしれません……」
「単純だからこそ?」
「はい」
憶測ですがとトゥアールは一言断りを入れてから、自身が考えたグラトニーが存在出来ている理由を話しだす。
「家族愛や友情はたしかに精神の土壌です。しかしそれは“大概の”人間の精神の土壌であって、必ずしも存在する訳では無く、そして全ての生物の精神の元となっている訳では無いですよね?」
「あ、確かに……」
児童虐待の理由が精神を疑う様な物だったり、親がおらず施設でも迫害されるなどで、必ず芽生えてくるものではないし、強く抱くモノでも無い。
ましてや、野生の動物は出来の悪い子をあっさり見捨て別の子を育てる事も普通にあり、存在しない訳ではないが全体的に見て少ないといっても過言ではない。
「しかし、怒り、悲しみ、喜び、妬み、恨み、食欲、物欲、色欲……これらは全てでは無いですが、人間や知能の発達した生物以外にも存在します」
「何かの道程があって芽生えるモノじゃ無く、自然と浮かぶ単純な感情や欲望ってわけね」
「はい。特に怒りや食欲は持っている種が多いと思います。それに、これらは色んな物に必ず付いて回ってきます」
「? どういう事だトゥアール」
「えっと、例えばツインテールが好きな総二様を例に挙げますと、華麗なツインテールを見れた際の『喜び』、ツインテールを侮辱された際の『怒り』、ツインテールが廃れていく際の『悲しみ』……アルティメギルならばよりワンランク上のツインテールを求める『欲』と言うべきでしょうか」
「言われてみりゃそうだ……確かに何でも付いて回ってきてる」
ここまでくればもう分かったのか、愛香がトゥアールの溜息の後につないだ。
「なるほどね、何にでもついて回る感情だからこそ、属性力として存在出来てるんじゃないのかって事なのね」
「正解です愛香さん。そしてより単純なら“際限なく”上がっていくという点も、存在出来ているいるうの一つだと思います。温厚で命を大切にするな人が尋常じゃあない怒りで人を殺してしまった事件も、残念ながら実在するぐらいですから……何かを
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