第六章
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の?」
「山に行ってみようかしら」
不意にという感じでの言葉だった。
「うちの人と一緒にね」
「山に?」
「ええ。山の民よね」
「そうよ」
またこのことについて話される。やはり今の話の軸はここにあった。
「じゃあ山が好きなのよね」
「というか学生時代登山部だったのよね」
「ええ」
「それじゃあ決まりよ」
朋絵もそこだと指摘した。
「あんたの旦那さんはね。やっぱり」
「山が好きなの」
「だからいいと思うわ」
微笑んで友人に述べる朋絵だった。
「それでね」
「そう。それじゃあね」
「行ってみたらいいわ」
その微笑で以ってまた述べる。
「二人でね」
「そうね。そうさせてもらうわ」
「山、ねえ」
朋絵は亮子と話をしているうちに頬笑まさせているその目を遠くにやった。
「私もね」
「どうしたの?」
「私の旦那はね」
自分の夫のことを話しだした。
「海の生まれなのよね」
「海の?」
「実家がね。瀬戸内の漁師さんで」
「ふうん、あんたのところは海だったのね」
「泳ぐのも釣りも凄く上手なのよ」
「それもいいわね」
「だからね。今度」
考える顔になって話を続ける。
「二人で海に行ってみようかしら」
「それもいいわね」
今度は亮子が賛同するのだった。
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