第五章
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はね」
これは亮子もわかっていることだった。
「昔は大抵」
「村で田んぼを作っているか町にいるか」
「そのどちらかよね」
「つまり士農工商」
江戸時代の身分制度であるがそのまま社会制度にもなっていた。身分制度といっても武士はともかく農工商の差はかなり曖昧であったが。江戸時代は実際にはそれ程厳格な身分社会ではなく武士になることもできたりした。少なくとも欧州のそれとは全く違っていた。
「それよね」
「ええ」
「けれどね」
ここで朋絵はさらに言ってきた。
「これとは別の人達もいたのよ」
「別の?」
「山の民っていってね」
「山の民!?」
亮子はその言葉を聞いて思わず声をあげてしまった。
「何、それ」
「昔そういう人達もいたのよ」
「そういう人達って」
「山で暮らしていた人達なのよ。私達とは別にね」
こう亮子に話すのだった。
「言葉も違えば生活習慣も違っていて」
「何か民族が違っていたのかしら」
「そうね」
ここで朋絵はさらに言うのだった。
「その言葉だけれどね。これがね」
「どんなのだったの?」
「縄文時代の言葉だったらしいのよ」
これは実際にそうだったらしい。とにかく使っている言葉までもが違っていたのだ。日本にもそういった人達が存在していたのである。
「文字も別物で」
「じゃあ本当に民族が違っていたのね」
「多分ね。それで能力もね」
「動物の言葉がわかったり天気がわかったり?」
「とにかく鋭かったらしいわ」
「やっぱり」
「山の中も自由自在に歩けたっていうし」
「あっ、そういえば」
朋絵の言葉を聞いてまた思い出した亮子だった。
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