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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■インフィニティ・モーメント編 主人公:ミドリ■■
壊れた世界◆自己の非同一性
第五十四話 新たな仲間
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ニークスキル。本来ならキリトのようにひた隠しにするべきなのかもしれないが、しかし七十五層以上に登ってきた攻略組の人数が極めて限られている今は、かつてのキリトほど神経質にスキルを隠し通す必要もあるまい。そう判断した上で、シノンは命を預けることになる仲間に対してはスキルを明かすことに決めたのだった。全員がその武器を見たのを確認すると、シノンは早々と弓をストレージに突っ込んでしまった。やはりあまり公にしたくはないようだ。
「なんというか……驚きました。接近戦を基本としたこのSAOでも、そのような遠距離武器が存在するのですね。スキルに固有の武器が存在するということは複数人が習得するように設計してあるはずですが、聞いたことすらありませんよ。もしかしたら攻略がある程度進んだことで新たに習得可能になったのかもしれませんね」
 イワンが嘆息すると、ミドリも頷いて同意を示した。
「それじゃ、シノンは遠距離攻撃、ストレアは近距離から中距離、イワンと俺が近距離専門って感じか。案外バランスとれそうだな。イワンも一応盾役できるか?」
「はい。防御に徹している間は攻撃できませんし、本職ほど堅くはありませんので攻撃力の高い敵相手には辛いですが、一応大丈夫です」
「私もガードやろうと思えばできるよ! って言っても大剣だし素早い敵相手だと無理だけど、攻撃力が高いだけなら大丈夫」
「それじゃ素早い敵には俺とイワンが、攻撃力の高い敵には俺とストレアで交代で盾やればいいな。スキル熟練度は低いが、俺はバトルヒーリングも習得しているから少しは長めに盾役やれると思う。そうだな……今日はパーティー結成祝いに飲もうか!」
 おー! と皆が歓声を上げる。私は未成年なんだけど……というシノンのぼやきは華麗に無視され、彼女は酒場へ向かう一行をあわてて追いかけた。
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