第五章 楽園
第14話 支配者
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へと動かしていた。
凜袮「ほ、ほら……やっぱりアレ……かな?」
彼女が指差したのはブランコだった。
士道「……やっぱり思い出せん」
頭をクシャクシャかきながら凜袮のほうを向いた。
凜袮「やっぱりもう駄目なのかも……」
凜袮は誰にも聞き取れないような小声で呟いた。
士道「え?」
凜袮「忘れてるんじゃない?士道ってば忘れっぽいところあるし」
士道「そ、そうか……だとしたらゴメン……幼なじみ失格だよな……」
凜袮「そんなことないよ。あ、お詫びに私の行きたいところ行っていい?」
士道「あぁ、もちろん!」
凜袮「ありがとう。じゃ行こっか」
その時の凜袮の顔は、もしかすると今までで一番輝いている笑顔で、でもどこか悲しいような、そんなことを思わせる笑顔だった。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
士道「行きたいところってここだったのか」
着いたのは以前、肝試しをした場所だった。
そして、そこには……
上条当麻がいた。
士道「か、上条?」
彼はこちらに気づいてないかの様に、池の方をずっと眺めている。
何でここに上条がいるのか、それを聞こうと彼の方へ行こうとした時、
凜袮「ねえ、士道。一つ聞いていい?」
まるで止められたかのようなタイミングで凜袮が話しかけてきた。
凜袮「士道さ、デートの時、たまにぼーっとしてる時あるけど……どうして?」
士道「それは………よぎったんだよ」
凜袮「よぎった?」
まだ笑顔を崩さない凜袮。
士道「デジャヴかと思ってたんだけど……前にも似たようなデートをしたなぁ……って思ってさ」
凜袮「似たような……?」
士道「変なこと言ってるのはわかってる……でもーー」
士道が何かを言おうとした瞬間、
上条「なあ、士道……」
完全に空気化してた上条が突然話しかけてきた。
上条「掛け違えたボタンを押してしまった時……お前はどうする?」
士道「何を言ってーー」
彼はその時見てしまった。
上条の今まで見たことのない顔を。
それは、複雑なことを考えていて、それがとても悲しい結果を生むと知ったような……そんな顔だった。
上条「その時さ、思わないか?……やり直せればいいな……ってさ」
士道「一体何の話を……」
上条「……いや、何でもない。今のは忘れてくれ」
上条はまた目線を池へと移した。その横顔はやっぱりどこか悲しそうだった。
士道「何だよ、あいつ……」
凜袮「士道、私ちょっと行きたいところあるから、少しだけ待っててくれる?」
凜袮が上条に視線が行っ
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