暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
月下の死闘(T) 〜白き少女の思惑〜
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だ。
 対象の索敵と簡単な攻撃をこなす程度の簡単な術式。

 探査範囲内に動体、魔力反応が増えた。1体やられたことを察知して追加したのか。
 使い魔に熱源はない。ならばやはり、索敵範囲に存在する熱の発生源はイリヤだろう。

 使い魔自体の撃破は容易、しかし逃げるのは困難だ。
 探査を仕掛けたことでこちらの位置は完全にバレたはず……高速で追跡してくる使い魔を撃破しながらでは状況は厳しい。
 魔力弾が飛んでくる以上背は向けられない、警戒を続けながらの撤退になるが、それでは先程までの全力疾走の速度は保てない。

 即時離脱は厳しい、迎撃しながら撤退せざるを得ないか。

「っ! Blitz shotgun(光撃散弾、射出)!!」

 2体目の使い魔の攻撃を回避、躱しざまに散弾を放つ。

 いちいち狙いを定めてはいられない。視界に捉えた鳥影の位置に炸裂させる。
 視認していないが反応が消えた、当たって砕け散ったと見て即座に他の使い魔の反応がない方向へ走り出す。

 使い魔の数が増えた。今まで最大2体だったのが3体。

 散開しながら確実にこっちを追い詰める陣形だ。
 少なくともバーサーカーとフェンサーの戦場へ戻されるようなことはあってはならない。

 その場所とイリヤから離れるための最適な方角、南東へ向けて逃走する。

(あれだけ数を出してくる……何を媒体にしてる? 用途限定の代物だろうが、生産と機能の釣り合いが見合ってないぞ!?)

 右側面から現れた使い魔を即時迎撃。
 第一射目が外れ、向こうからの光弾を回避後、第二射で確実に落とす。
 なるべく一発必中を心掛けたいが、索敵と逃走経路の確認を並行しているので、どうしても精密さを欠いてしまう。

 しかし落とした先から追加されているので、迎撃はまるで意味を成さない。
 相手の限界が分からない以上、品切れになるまで使い魔を撃墜し続けるのは現実的ではない。
 どうにか距離を稼いでフェンサーを喚び、一気に引き離したいところだが、熱源位置はほとんど変わらない。

 やはりこの状況じゃ逃げ果せるのは厳しいか──────

「被弾覚悟で駆け抜けるか……!」

 周囲の使い魔への注意を完全に切り、再び全力疾走開始。

 魔術刻印から耐圧、耐衝撃の術式を身体に巡らせ、強化と硬化も重ねる。
 効果は数分、とにかく走り続けて、最低でもイリヤの結界領域内から出なければ。

「はっ、はっ、はぁッ……!!」

 直線ではないから正確ではないが、もう5km以上は走っていると思う。
 魔術によるドーピングありとはいえ、競走関係のオリンピック選手も真っ青なタイムを叩き出している。
 しんどいなんてもんじゃないが、自分とフェンサーの命が掛かっている以上
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