暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
月下の死闘(T) 〜白き少女の思惑〜
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レイジは……かなり離れたわね」
僅か十分にも満たぬ時間で、数km以上離れている。
全速力で走り続けているのだろう。
この調子なら一度バーサーカーを殺した時点で、合流に向かえるかもしれない。
トドメを刺すときは出来るだけ重大な損傷を残して殺す。
自動蘇生とはいっても、即座に傷が復元するようなものではない。
傷が深ければその分だけ完全な蘇生には時間がかかる。
例えそれが数分程度であろうと、この黒い巨人から逃げるというならばその時間の価値は計り知れない。
問題はマスターであるイリヤスフィールの行動だが…………
「ッ!? 居ない!?」
周囲に彼女の気配がない。
まさか単独でレイジの追跡を──────
「くッ……今すぐ助けに行く……余裕はないか」
立ち塞がる岩のような巨人。
要は戦闘の結果は問わず、足止めの役割も担っているわけか。
自分のサーヴァントが単騎で負けるはずがないという自信と信頼の現れ。
ただその意味でならば、私も同じ信頼を以てこの場を預けられている。
元より足止めはこちら側の目的だったはずだが、こうなれば作戦変更だ。
サーヴァントの後ろで高みの見物を決め込んでいると思っていたのだが、イリヤスフィールに対する想定が甘かった。
速やかにバーサーカーを撃破し、レイジとの合流を果たさなければならない。
黒守黎慈とイリヤスフィールを、深く関わらせる訳にはいかないのだ。
それでは私の願いが根底から崩されることになる。
「絶対に……お願い、無事で────」
──────────Interlude Out──────────
真冬の夜に、街中を全力疾走する。
これが青春ロマンな意味での全力なら良かったんだが、生憎と真面目に命懸けでの逃走だ。
そんなしょうもないことを考える余裕が出るくらいには距離を稼いだとは思うんだが、如何せんバーサーカーの機動力は洒落になっていない。
「はぁっ、はぁっ……はぁ、は……」
さすがに全力で走り続けるのはここらが限界だ。
十分ほど走り続けていたはずだが、それでも4〜5kmは走ったはず。
バーサーカーが追いかけてきていたら気配で分かるし、フェンサーが交戦状態なのは感じ取れるから追跡はない。
道端で座り込み、家屋の塀にもたれて休息。
逃げ切ったという確証はない。なるべく早く呼吸を整える。
次は魔術による索敵や探知がないかを確認しなければならない。
こちらの安全が確保されていれば、あの化物級のサーヴァントと戦っているフェンサーに即座に離脱指示を出せる。
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