暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
月下の死闘(T) 〜白き少女の思惑〜
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いう宝具を超えてくる魔術に抗する防御手段はない。
あるいは狂戦士以外のクラスで呼ばれていたなら対抗する術はあったかもしれないが、狂うという条件で呼び出された以上逃れられない制約がある。
「……フッ!!」
自らバーサーカーに剣を合わせにいく。
当然軽く受け止められるが、剣の四翼が背後より伸びる。
自分で何かをする必要はない、元々自立術式を組み込んである。
剣の形をした簡易な使い魔のようなものだ。
100に及ぶパターン記録から術者に合わせて最適化された連携動作をする。
受ければ致命の四つの剣が、狂戦士の急所に襲いかかる────!
「■■■■■■■■■■────ッッ!!!」
迎撃の斧剣をすり抜ける魔剣。
敵手の背後から伸びる四本の剣撃を本能で躱す。
理性を失っているとは思えない体捌きと反応速度で避けるが、避けきれない五撃目の炎剣が巨人の脚を切り裂き傷を焼く。
それだけでは致命傷足りえないが、この魔剣がバーサーカーの宝具を超える以上、サーヴァントの霊核に届けば殺しうる。
そも不死身性に近い防御能力を誇るバーサーカーが回避したという事実が、この概念武装魔術の有効性の証明に他ならない。
頭、首、心臓の破壊は勿論のこと、直撃すれば手足を切り落とすことも可能。
聖剣を解放するのと同じだけの魔力を消費したが、宝具を使わずにこの巨人を一度でも屠れば手放しで賞賛されるに値する。
一撃で仕留められずとも、このまま削っていけばいずれ絶命に至るのは間違いない。
(これを展開した以上、無理に攻める必要はないか……)
四つの魔剣が自立型ということは、実質バーサーカーは剣士5人と相対しているに等しい。
そのうち4人は物理的干渉が不可能である。
神話の中での経験上、魔術への理解もあるヘラクレスといえど、狂戦士のクラスでは魔術に抗する能力はほぼ発揮できず、対策に関して知恵も知識も意味を成さない。
不利といえば不利だが、逆にこの不干渉の魔剣は全てフェンサーを発生源にしているのだから、要は1人を倒せば全ての剣は消え去るのが道理。
バーサーカーは自らを傷付けられる他の四剣を無視し、フェンサーを叩き潰すことを本能的に優先した。
「そう来るでしょうね。けど……」
自立型魔術は術者本人の行動が自由なことこそ最大の利点。
敵が守りの態勢に入るなら攻め崩し、攻めの態勢に入るなら自分は守りを固めればいい。
攻撃と守備を両立することは困難であり、迎撃をしているだけでバーサーカーが削れていく。
いくつかの剣撃は躱すものの、やはり全てを避けられてはいない。
このままなら時間を稼ぎつつ、順当にバーサーカーを一度倒すことは出来る。
「
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