最終話 天より他に知る者もなく
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差し指でルナの口を止めるアクセルに目を見開く。
アクセル「ルナの…本当の口調で話してくれない?」
ルナ「へ?」
アクセル「今までのは、本当の口調じゃなくて、本当は月で見せてくれたのが本当の口調でしょ?」
ルナ「え?あ、そ、それは…」
意識だったために気づいてなかったが、思い出すと一気に顔が熱くなる。
ジャンク屋になって以来全く使っていない自分の本来の口調。
アクセル「僕は…本当のルナと話したい」
アクセルの表情にからかいはない。
本心であることを悟り、ルナは赤面しながら頷いた。
ルナ「う、うん…分かったよアクセル」
アクセル「それで?何なの?」
アクセルが先程ルナが言おうとした言葉が気になり、彼女に尋ねる。
ルナ「アクセル…ずっと…ずっと一緒だよね?私の前から…いなくなったり…しない…よね?」
アクセルは一瞬、面食らったような顔をしたが、次の瞬間優しく微笑んだ。
アクセル「当たり前じゃない」
ルナ「…っ」
息を呑むほどに優しく、暖かい笑顔。
吸い込まれるように見つめていた彼女にアクセルの手がそっと差し出される。
アクセル「行こう」
ルナに向けてゆっくりと差し出されたアクセルの手。
ルナ「…うん」
ルナは自分より少し大きいアクセルのその手をしっかりと握り返す。
ルナ「…アクセル…大好きだよ」
アクセル「うん」
彼女は向日葵畑の見える丘を、アクセルに寄り添うように歩いて行った。
ルミネのイレギュラー化を受け、政府はコピー能力を持つ新世代型レプリロイドの初期ロットを破棄。
コピーチップの製造を中断した。
しかし、宇宙開発のさらなる隆盛から高性能な新型レプリロイド開発の要請は尽きず…。
数年後、厳重なプロテクトを施し、コピーチップの製造を再開した。
人間とロボット
相容れぬ二つの生命が平和に共存する世界
それは私が望んでやまない理想郷だ
トーマス・ライト。
遥か遠い過去。
時の流れは川のように絶えねど、その営みは天より他に知る者もなく。
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