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SAO−銀ノ月−
第七十一話
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通じてアスナの存在を確かめているように。もしくは、アスナがいることが確定して怒りの炎を燃やしているかのように。

「ママとか、親友とか、アクセス・コードだとか……良く分からないけど。お願いキリトくん。あたしたちにもちゃんと説明して」

 その沈黙を破ったのはリーファ。……今までSAOのことやアスナのこと、その他幾つかのことは隠してきたが、もうこれ以上黙っていることは出来ないだろう。話してくれるまで納得しない――と、リーファはその目で語っていた。

「……とりあえず、降りよ? ここじゃ静かに話も出来ないし」

 レコンの思いの外冷静な対応に同意し、まずは雲海から地上へと降りることにした。一同は、再び雲海に頭から突っ込んで地表に向かって翼を動かし――キリトは一瞬だけ、世界樹の頂上を睨むように視線を向けていたが――今までのコースを逆走していく。アルン市街を構成する塔が見えてきた辺りで加速を止めて、ぐるりと大きく『し』の字を描くように地表に着地する。他のみんなも思い思いの方法で着地し、再び俺たちは、央都《アルン》の地へと足を着けることとなった。



「まずは……すまない。頭に血が上ってた」

「申し訳ありません……」

 立ち話も何だから――と、小さめのオープンテラスを占領して話し合うことにすると、まずはキリトとユイ父娘の謝罪から始まった。

「あー……えっと、さ。あたしも言い過ぎた。熱くなっちゃってごめん」

 続いてリズのターン。こうなると俺も何か謝った方が良いのだろうか――などと考えられる程には、何とか場の雰囲気も和やかなものに回復していた。

「はぁ……もう良いわよ。それで、まずはそのカードは何なの?」

 リーファが毒気が抜かれたのか呆れたのか、本当にもうどうでも良さそうに溜め息混じりに返す。謝罪していた三人が頭を上げると、リーファの言葉通りユイがキリトの持っているカードの説明を始めていく。

「これはシステムを管理するメニューにアクセスする為のコードです。対応する端末さえあれば、GM権限……例えば、雲海の上の障壁の削除、なども可能だと思われます」

「じ、GM権限……」

 ユイの言っていることのスケールの大きさからか、レコンがゴクリと唾を飲む。しかし、ユイが言う対応する端末などというものはないし、どこにあるかは見当も付かない。……当然だ、プレイヤーが触れられる場所にそんな端末が置いてある筈もない。

 しかし、プレイヤーが今まで足を踏み入れたことのない場所であれば。

「その端末がある場所って言えば……」

「……やはり、世界樹の可能性が高いと推測出来ます」

 ――やはり結局は世界樹へと帰結する。世界樹のその先は妖精王が住む天上都市が広がっているらしいが、こうなれば行って
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