第九幕その五
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「家族でね」
「あるんだ」
「そうなの、美味しいとは思うけれど」
それでもと言うのでした、恵梨香も。
「癖が強いことは確かよ」
「海鼠とかよりも」
「ええ、海鼠よりもね」
「あれよりも癖が強いんだ」
「だから食べるには少し抵抗があるから」
「海鼠は私も食べたことがあるわ」
ドロシーはこちらはあるのでした、この海の幸は。
「日本の生のものでも中国の干したものもね」
「海鼠はあるんですか」
「ええ、お刺身で食べたわ」
「そうですか、アメリカでも海鼠を食べるんですか」
「多分恵梨香のお国からアメリカに来た人が食べてるのよ」
日系人の人達がというのです、アメリカには日本から渡ってアメリカ人になった人達も結構いて暮らしているのです。
「それで私もね」
「海鼠を召し上がられたんですね」
「あっちは普通に食べてるわ」
海鼠はというのです。
「他に雲丹もね」
「あれもですね」
「ええ、食べてるわ」
こちらもだというのです。
「美味しいわね」
「雲丹美味しいですよね」
「大好きよ」
ただ好きなだけではなく、でした。
「お寿司でも美味しいわよね」
「そういえばオズの国でもお寿司食べますね」
「恵梨香のお国の人もいるからね」
だからなのです。
「食べてるわ」
「そうですね、それでホヤも」
「あれば食べたいわね」
「あればいいですね」
心からこう言うドロシーでした。
「本当に」
「そうね、後はね」
「後は?」
「海にいるかしら」
そのホヤはというのです。
「オズの国の周りの」
「あそこにですね」
「いればね」
そうすればというのです。
「採ってね」
「食べられますね」
「あの海にいないものはないわ」
美味しく食べられるものならです。
「それこそね」
「それじゃあホヤも」
「あるかも知れないわ」
また言うドロシーでした。
「だから一度探してみようかしら」
「そうされるんですね」
恵梨香も言うのでした。
「ホヤを探して」
「食べてみるわね。けれどね」
「けれど?」
「日本人って色々食べるのね」
かなり感心した様にです、こうも言うドロシーでした。
「中国人もそうだけれど」
「アメリカ人もだね」
教授はオズの国と最も関わりの深いこの国の名前も出しました。
「かなり色々食べるね」
「そういえばそうね」
ドロシーはジョージを見つつ教授に答えました。
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