第十三話
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のに…………』
それが、この世ならざるものの言葉だったのか、ヴァーリの心に潜んでいる時に得たヴァーリの心の言葉なのかはわからない。
だから、俺には何を言えばいいのかわからない。
でも、この言葉だけは送ってやる。
「いいさ。それでも、もう休んでも……いいと、思うぞ」
『休む、か……そんな発想、なかったな……』
そうして、この世ならざるものは消え去った。
それと同時に禁手が解除される。
「ヴァーリ」
俺は千切れそうな意識を何とか繋いぐ。
まだ、ヴァーリに必要な事を言っていない……!
「俺だけは絶対に離れない……お前を見捨てない。だから頼む、泣くんじゃねぇぞ……」
「え……?」
ヴァーリは今気づいたように頬に手を添える。
そこには、雫があった。そう、ヴァーリは泣いているのだ。
「わ、私、泣いて……」
俺は意識を無くさないように歯を噛み締めながら何とかヴァーリの近くまでやってくる。
そしてその雫を右手ですくってやる。
「あ……」
「お前には、笑顔が似合う」
俺はそこまで言ってついに限界がきて……意識を、手放してしまった。
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