暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜赤き皇が征く〜
第一章
str3『第一層の地でA』
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なた」という呼称を使ってその名を問う。

「はは、そんな畏まった言い方をしなくてもいいよ。俺はディアベル。職業は……気持ち的に《騎士(ナイト)》、かな」

 そう答えて、もういちど爽やかに笑う、青年改めディアベル。SAOに職業(ジョブ)システムはないので、本当に『気持ち的に』何だろうが。確かに彼の武装は、先ほども思った通り騎士っぽい。

 ――――しかし……《騎士》なのに《悪魔(ディアベル)》か……。

 『ディアベル』とは、イタリア語で《悪魔》の意である。スペイン語の《ディアボロ》、英語の《デーモン》と語源を同じくするその名を、どう思って自らのアバターに付けたのだろうか。疑問に思うクロス。ついつい彼にそれを問いただしたい、という欲求が生まれるが、それも彼がボス部屋の扉に手を掛けたことで強制停止させられる。

「良いか。ちょっと偵察をしたら、すぐに逃げるぞ」

 ディアベルが自分のパーティメンバー達に告げると、彼らから「おう」「はい」「了解」と言った返答が帰ってくる。

「……俺達もそれでいいな?」
「問題ないわ」

 クロスもシャルに問う。すると彼女は、小さな声でそう答えた。女性プレイヤーであることを知られたくないのだろうか。フードで顔を隠しているわけであるし、きっとそうなのだろう。

「行くぞ……」

 ぎ、ぃ、ぃ、ぃ……ガゴン、と言った、重厚なサウンドと共に、ボス部屋の巨大な扉が開いていく。その先には、思いのほか広い空間が待っていた。β時代、何度も足を踏み入れた第一層のボス部屋だ。

 その奥に待っている、第一層のボスも――――すでに、見知ったモノだった。

「グォォオオオオ!!!」

 猛々しい咆哮をとどろかせて、第一層ボス――――《イルファング・ザ・コボルドロード》が姿を現した。真紅のカラーカーソルと、ボスの四段重ねのHPバーが表示される。同時に、その取り巻きMobである《ルインコボルド・センチネル》三体も。彼らはコボルドロードのHPバーが一段消滅していくごとに、三体ずつ再登場する。倒せなければ、どんどん増えていくわけだ。取り巻きを相手にするパーティも必要だろう。

 因みに頭上のカラーカーソルだが、プレイヤーならグリーン、NPCならイエロー、窃盗や殺傷などの犯罪を犯したプレイヤーならオレンジ…このことから犯罪者を《オレンジプレイヤー》と呼ぶ…、そしてモンスターなら赤で表示される。緑と黄色以外は、街などの《犯罪防止コード圏内》に入ることができない。

 モンスターの赤いカラーカーソルだが、その色が薄くなっていくごとにプレイヤーに比べて弱いモノ、濃くなっていくごとにプレイヤーより強いモノを表す。例えばどれだけの間殴られていても絶対に死なないほど弱いモンスターならほぼ白に近いピンク、逆
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ