流れる日々
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勿論瀧馬とて、敗北してしまった時の保険の為に汚物の如く嫌われた方が良い、などとは思わないし、感情を力へと変えるのがツインテイルズなのだから、嫌われ続きでは興も乗らないので人気は出来るだけ持っておいた方が良いであろう事も事実。
……しかし、皆に愛され期待を背負うといった状況が危険である事にも変わりは無く、同時にここまで浸透してしまった人気は、最早瀧馬一人でどうにかできるモノでは無い事も自明の理であった。
「……アルティメギルの連中は狙っているのかもな」
『熟成したツインテール属性の刈り取りヲカ?』
「ああ。ニュースを見ても余りにアッサリ倒されているし、ホークギルディの次に来た蛙野郎は、前の2体に比べて極端に弱かった。それも踏まえると………もしかして、な」
『だがな相棒。ここまで来ちまったらもう戻れネェ。俺らが大暴れしたってツインテールは廃れなイシ、テイルレッドをぶっ倒してもそれはアルティメギルの連中に協力することになる上、単純にメリットがネェ』
何より、変態の集まりであるアルティメギルに結果的であれ協力することになるのは、瀧馬も当然嫌だしラースは何よりプライドが許さない。
だからこそ、彼等は自分達がやるべき事を粛々と実行し続けているのである。……危機感が薄いとはいえ、食べなければ命にかかわるのだから。
しかし、もし瀧馬の食欲が彼女らのツインテール属性に反応してより活性化してしまったら、それこそ意思とは関係なく……考えた情景がその先に至ったか、瀧馬はゆっくりと頭を振って否定した。
(そうならないように努力すればいい、抑制が利かなければせめて倒さなければいいんだ……)
難儀且つ厄介な事だと、瀧馬が溜息を吐いて再び袋をあさって、今度は銀チョコパンを頬張った時、ふと前を歩く二人……総二と津辺の様子が少しばかりおかしい事に気が付いた。
何処となく挙動不審とでも言えばいいのだろうか。答えの出ない宿題をやっている時の様に、頭を抱えたり時にひねったり、探偵が良くやる顎に手を当てる動作を真似してみたり、とにかくどうにか問題の答えを出そうとしている。
二人してそこまで何を悩んでいるのかと、瀧馬は近寄りがたい行動の珍妙さを入れても、逆に気になってしょうがなくなった。
『思春期特有の悩ミ……なわきゃねーわナァ、何せ二人して悩んでんだかラヨ。なーに悩んでんのかネェ』
「……」
僅かに……ほんの僅かにだが、瀧馬はある“疑問”が当たりであろう可能性が、より強くなっているのを感じていた。
それは、以前総二が余りにもテイルレッドに興味が無い事を訝しみ、二人が奇妙な会話を交わしている事に疑い、よく見てみると彼等の腕に付
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