暁 〜小説投稿サイト〜
寄生捕喰者とツインテール
流れる日々
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、待ち受け画像をテイルレッドにするとか、グッズが出たから買うとか、そんな事は瀧馬も一々咎めないし、好きであろうが嫌いであろうが本人の勝手なのだから不快感を露わにもしない。



 問題は前にも言ったように、その過剰すぎる信仰、またはTPOを考えない態度にあるのだ。



 周りがテイルレッドのファンだらけだからといって、瀧馬の例があるように全員がそうではないのが当たり前。なのに顔を見るも無残という言葉がこれほど的確にはまる事の無い、そんな凶悪な顔を堂々と作っていれば、常識人にとってこれほど不快に思う事は無い。

 しかも一人二人では無く数十人規模。これはもう気が狂う。本当は今すぐにぶん殴ってでも止めさせたいと思っている瀧馬も、そんな事をすれば多勢に無勢(物理ではなく精神的)でどうなるか分かっているので、不快感を表に出しているだけに止めている。


 好きである事=その為なら何をやってもいいというのは大間違いである。というか、尻を触ってテイルレッドと呟き、ニヤケ顔になるのは冗談抜きで止めておいてほしいものなのだが……



「……俺が可笑しいのか?」

『いーや相棒は正常だろウヨ……問題は世界ダ、世界。各国首脳人でさえ“我々はテイルレッドに対して支援を一切惜しまない”何て言うぐらいだからナァ』

「……そんな事を言う前に属性力変換技術を研究した方が良いってのが分からないってのか、この世界は」

『研究しようは幾らでもあるからナァ。でもやっぱあれだろアレ! 面倒臭い事は省いてアイドルを応援したいって心情ダ! 何時もの事サ!』

「そんな事やってたらテイルレッドが敗れた時本気で取り返しがつかなくなるぞ……」



 瀧馬は世界の情勢に呆れると同時、実はこの事も危惧していた。


 今の地球ではテイルレッドへの憧れからか、男子はテイルレッドに惜しみない、というより狂気レベルまで達する愛を注ぎ、女子も同じく愛を注ぐものの他、同じツインテールに進んでする者も増えてきている。

 ラースによれば、属性力はただ何かをやり始めたり継続させるだけでは身に付かず、あくまでそのものに対する深い情熱、または愛情が無ければ決して芽吹かない物なのだとか。

 つまり現時点でのこの世界では、これだけの人気を誇るテイルレッドに感化され、ツインテール属性がかなり芽吹いている且つ熟成されている可能性が非常に高い。


 その分、ツインテール属性を源に戦う戦士である、テイルレッドやテイルブルーは大いに戦いへ励めるであろう……だが、この状況は裏を返せば彼等が敗北してしまうと、たわわに実った属性力を奪い取れるばかりか、巨大な絶望を世界中へ与え、その後のツインテール以外の属性力の略奪も容易になってしまう事に他ならないのだ。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ