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101番目の舶ィ語
第五話。月隠のメリーズ・ドール
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(ヒステリアモードが解除されてる??)

エロDVDではかかりが甘かったのか切り札とも呼ぶべきヒステリアモードがすでに収まっていた。

(落ち着け。落ち着け!
そうだ、相手を見なければいいんだ)

幸いな事に俺はまだ背中を壁につけた状態だ。
これでは後ろは振り向けない。

「ねえ、早く振り向いて。
私を見て?」

「誰が見るか!」

見たら殺る気だろうが。

「見ないと殺しますよ。ハゲ」

「ハゲてねえよ??」

「見ないとアレですよ?
ほらアレ、アレ?」

「なんだアレって?」

新ての詐欺か?

「見ないとバキューんしちゃうぞ!」

「可愛く言っても見ねえよ!」

なんなの、こいつは。

「振り向かないと逮捕しちゃうぞ☆」

「ネタ古??」

「いいから振り向いてくださいよ。
いいじゃないですか、チラッと私を見るだけですよ」

「いや、見たら死ぬだろう」

「大丈夫ですって。ちゃんと六文銭は用意しますって」

「そんな準備いらねえんだよぉぉぉー??」

耳元で彼女、一之江瑞江が甘い声で誘惑してきたが、こんなんで振り向くアホはいないだろう。
彼女は何故か焦っている。

「一之江。
お前が何者で、どういった存在かはわからない……けどな」

俺は背後の一之江に語りかけた。

「俺はお前に殺されない。
お前は相手を振り向かせないと殺せない。
今の俺は背後を振り向けない。
よってお前に俺は殺せない」

俺がそう宣言した瞬間______

「……そんな……どうし、て……嫌だ」

一之江から彼女が出したとは思えない弱々しい声が聞こえた。

「……嫌……こんなところで……消えたく……ない」

一之江からは泣いているのかかなり弱々しい声が聞こえてきている。
消える?

「消えるだって??」

「消えたく……ない、あの子は……優都は……妹は、私が守る」

「妹?」

何故だろう。
先ほどまで、俺はこの少女の事を呪われて、人を死なせるだけの人形だと、そう思っていた。
いたが、今は……。

「なあ、お前って、あの……道端に捨てられていた人形か?」

校門前でヤシロちゃん示した先にあった、あの捨てられた人形。
彼女はそれを『因果』と呼んでいたがその意味はまだわからない。

「……それは、きっかけに過ぎないわ。『捨てられた人形』を見つけて、それになんらかの心の動きを見せた人物に私は呼び寄せられる。そういうコードになっているから……」

「……やっぱりお前が生まれたきっかけって、捨てられたからなのか?」

「何を尋ねられているのかわからないけれど、その逸話から生まれたロアなのは確かよ」

またでた
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