暁 〜小説投稿サイト〜
藤村士郎が征く
第20話 千客万来! ようこそ、因果の地 川神学園へ
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
しくも思えます。私もジャンヌさんのあの瞳に貫かれてみたいものです」
 「フハハハハ、相も変わらず物好きだな。我が友トーマよ」

 雫をよそに、英雄と冬馬は各々勝手に盛り上がっていた。
 しかし当の本人である雫に、そんな2人の話題を気にしている余裕は無かった。

 しばしの間、黒い笑みを雫に注ぎ続けるジャンヌと、彼女のそのプレッシャーに気圧され続けるという構図が続いていたが、後の事もあると考え、溜息を漏らしながら直に席を立ち教壇前に進んだ。

 「・・・申し遅れて、申し訳ありませんでした。改めまして、ジャンヌお嬢様の護衛を務めさせていただく事に成りました。暁雫です。今日からよろしくお願いします」

 最初はしんと静かではあったが、クラス全体の生徒から拍手が起こった。
 ただし、拍手の質は2種類であったが・・。
 一つは、心からの歓迎の意が少数。残りは先ほどのジャンヌの怒りに当てられたうえでの、空気を読んでいると同時に引き気味の拍手であった。

 「と、兎に角、これで自己紹介も済んだろうから、暁も席に行ってくれていいぞ?」

 宇佐美巨人の言葉に、雫は頷いたまま席に座った。

 「――――だから、オーリック。お前もその黒い笑みを引っ込めてくれねえか?」
 「そんな黒い笑みとは、あんまりではありませんか?宇佐美先生。ですがまぁ、本日の主役たちの自己紹介もありますし、この辺にしておきましょうか」

 そのまま、教室全体にいきわたっていた剣呑とした威圧感を掻き消すジャンヌ。
 その様子に、2−S生徒の半分以上がホッとした。
 それと同時に彼ら或いは彼女たちは、ジャンヌと雫(2人)に対して「触らぬ神に祟りなし」と言う考えで、これから約2年間の間はそう接しようと心に決めるのだった。

 「よし、これで漸く今日のメインを進行出来るな。それじゃあ、お前たち入っていいぞ!」

 雫の自己紹介と言う騒動を、漸く収集してから直に宇佐美巨人は、廊下に待機していた本日のメインたちを呼んだ。

 呼ばれて入ってきた源氏3人組は、義経だけは緊張していたが他二人は気にした様子も無く、自然体そのままだった。

 そして、一人一人の自己紹介をしつつ、軽いスキンシップをとる源氏3人組。

 そこで最後に、教室内に入って来てからずっと与一は警戒をしていた。自身を先程の全校集会にて、ボロ雑巾の様にしてから義経達に引き渡した雫を。
 それに気づいていた雫は、漸くそこで与一の視線に対して目を合わせた。

 「・・・警戒しているようですが、先程の事は特例です。これからは直接の依頼ないし弁慶様や義経様からの直々の頼み込みでもなければ、手を出しませんので悪しからず」

 それはつまり、逆を言えばそうなった時は容赦なく手を出すという勧告
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ