第五章 楽園
第13話 自問自答
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」
″デートに来ていた″上条が困ったように口を挟んだ。
上条「何で上条さんまで?」
その質問に凜袮はいつもの極上スマイルで答えた。
凜袮「別にいいじゃない。3人でデートなんてよくあることだしね?」
上条「(普通ねーからな?)」
士道「きな粉パンかな。あれはとても美味しいって十香が言ってたし……」
凜袮「十香ちゃんか……」
その時の凜袮は微笑を貫いていたが、どこか悲しげな表情をしていた。
士道「ん?何か言ったか?」
そんな凜袮の微妙な変化に気づかない士道は、
凜袮「ううん。何でもない。じゃ私もそれで!」
何事も無いようにデートをするのであった。
上条「(鈍感すぎる士道を見るのは辛い……色んな意味で……)」
その数歩後ろでは上条が不幸オーラを漂わせているとも知らずに。
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きな粉パンが売り切れていたので新作のホイップパンを買った。
店を出た瞬間、上条の手にあったパンがカラスによって取られたのは気のせいだよな。うん、そう信じてる。
不幸だ……という上条を背に士道と凜袮はパンを口にした。
デジャヴだ。
と、士道は思った。
以前十香とこんなことがあったような……
凜袮「どうしたの、士道?」
士道「いや、何でもない……それよりこれからどこに行く?」
凜袮「うーん……じゃあゲームセンターに行きたいな」
士道「じゃ行こう……って上条?」
上条「不幸だ……」
誰よりも食を大切にする上条はパンをとられた事実にそう簡単に立ち直れはしなかった。
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ゲームセンターにて。
士道「こういう時はクレーンゲームをやるかな。一人だと格ゲーとかやるけど」
凜袮「そうなんだ……私、こんなとこ始めてだから……」
士道「そうか。上条も始めてか?」
上条「上条さんがこんなところにくるとモヤシ生活が始まりますよ?」
士道「お、おう……」
明らかに困ったような顔をした士道だったがすぐに話を戻す。
士道「凜袮もクレーンゲームやってみろよ」
凜袮「え?私はいいよ」
上条「せっかく来たんだから一回ぐらい……」
凜袮「私のことはいいから……士道は何を取りたいの?」
まるで自分を気にせずやってくれと言わんばかりの言い方だった。
士道「あ、あれかな?(特に欲しいものは無いんだけどな……)」
士道が指差したのは小さな人形だった。
凜袮「確かにかわいいね。私、応援してるから」
士道「お、おう!」
この時、士道はクレーンゲームで取れた人形を
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