第三章
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出るその時も店の中に顔を向けていた。そしてそれは店の前から去るまで何度もあった。
その日のすぐ次の日加藤はまた店に来ていた。今度は一人だった。
「あれ、あんた」
昨日と同じくカウンターに座っているお婆さんが彼の声をかけてきた。
「いらっしゃい」
「はい、どうも」
まずは普通の挨拶からであった。それを終えてからお店の中を見回す。とりわけ昨日見ていた場所を。するとそこにまたいたのだった。
「いるんだ」
それを見て一人微笑むのだった。
「いてくれたんだ」
こうも思いまた微笑む。そのうえで自分は少年漫画のコーナーに向かう。そうしてこの時は漫画をチェックするふりをしながらそのうえでそちらをちらちらと見ていた。
そんなことを何日か続けていた。この日は紅と一緒だった。彼は一緒にいるその加藤の様子がおかしいことにこの日も気付いたのだった。
それで本屋を出てから。彼はバス停に向かいながら彼に対して言ってきたのだった。
「なあ」
「何?」
「御前何かあったのか?」
まずはこう彼に尋ねた。
「本屋で。ずっとちらちら見ていたじゃないか」
「見ていたって?」
「だから少女漫画のコーナーの方だよ」
今回はかなりダイレクトに述べたのだった。
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