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雨宿り
第十二章
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て今がある。しかし同じではなかった。何故なら。
「なあ」
 彼は考えをまとめたうえで御木本に顔を向けて声をかけた。
「雨宿りするつもりだったよな」
「仕方ないから」
 眉はまだ曇ったままである。
「今はね。雨が止まないと」
「何なら入るか?」
 彼はこう提案したのだった。
「傘に」
「傘?」
「折り畳みだが持っているんだ」
 御木本は少しばかり驚いたような顔になって彼に顔を向けてきていた。二人は丁度店の出口のところで顔だけそれぞれに向けて話をしているのだった。

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