暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜5つの希望〜
第六十話 Sigma
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のでは面白くないのでな!!」

互いに拳を繰り出し一歩も引かずに殴り合う両者。

ルイン「シグマ…………シグマ…隊長……」

そんな最中、かつてのイレギュラーハンター時代のシグマの姿が脳裏を過ぎり、ぽつりとルインが呟く。

シグマ「愚か者め!!寝惚けるな!!」

シグマの拳がルインを鳩尾に炸裂しそのままルインを背後へと吹き飛ばす。

ルイン「う…っ」

シグマ「私はもはや人間共の犬に過ぎぬイレギュラーハンターの部隊長などではない。イレギュラーの王として世界に君臨する覇者なのだ!!」

シグマが振るうブレードをルインはセイバーで必死に受け止める。

ルイン「(ああ…やっぱり強いなぁ。この人は…)」

第17番精鋭部隊に配属されたハンター達にとってシグマは憧れであり続けてきた。
イレギュラーハンターという組織にあって誰よりも英雄と呼ぶに相応しかった人物。
統率力、戦闘力、作戦立案能力といった能力面で衆に抜きん出いるのは当然として、厳格ながらかつては優れた人格者でもあったシグマは、自分達にとっての理想形…。
エックスやゼロ、ルインにとってはかつてのシグマはまさに人生の手本とすべき存在であった。
それが今やイレギュラーの代名詞にまで名を貶め、幾度もエックスやルイン達の前に立ちはだかり続けてきた。

ルイン「…決着をつけましょう。シグマ…」

シグマ「そうだルイン!!これが我々の最後の戦い!!」

空間転移。
またドゥームバスターかと思ったが、シグマはルインの真上にいた。

シグマ「レイヴデヴァイド!!」

風を切って飛び降り、着地と同時に切り上げ、残像を持って振り下ろす。
鋸に似た線を描く攻撃がルインに迫る。
ルインは一撃、二撃、三撃目は何とか回避したが、最後の一撃を回避することは出来ず、胸から肩にかけて刔るような傷が走る。
反撃しようとした瞬間、シグマの姿はなく、目の前の空間が歪んだかとおもうと、身体が引き寄せられ、巨大な手に頭を鷲掴みにされる。

ルイン「シグマ…!!」

紛れも無くシグマである。
彼は苦痛に歪む少女の顔を見て、勝利を確信した。

シグマ「絶望せよ!!貴様らが守ろうとした世界が縋った計画も全て我が手の内だった!!貴様らに残されているのは絶望しかないわ!!滅べ、滅ぶがいい!!」

シグマの笑い声と呪詛のような言葉を聞きながらもルインは必死に脱出を試みる。
まだ彼女は諦めてはいない。
希望を捨ててはいない。

ルイン「っ…馬鹿なこと言わないで!!私達が諦めたら、あなたが喜ぶだけでしょ!!ヤコブ計画が最初からあなたの仕組んだ事だったとしても……私は、私達は最後まで諦めたりはしないっ!!私達がいる限り、あなたに都合のいいエンディングなんてない!!」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ