第六章 正義の在り処編
第百八十八話 『クーデター』
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いるという。
それでいい返事を三提督も待ち望んでいるのが本音のところである。
他にもジェイル・スカリエッティによって捕らわれていた人々を作成したエリクシールを無料で提供して全員回復させたことから『聖女』だのというあだ名で呼ばれていたりする。
ゼスト・グランガイツのもう死しか待っていなかった体も全快にまで回復させたところからエリクシールの性能は確かな効果を発揮していることは確かであるのは事実だ。
シホ自身もいまも暇があれば量産をしているというから『聖なる錬金術師』というあだ名も広まっている。
―――閑話休題
それからシホの話が少し続いた後に脱線していた現在の事件の話を再開したところで、扉がノックされる。
「誰ですか……?」
ミゼットが扉の向こうの人物に声をかける。
扉の先では男性の声で、
「お取込み中のところ申し訳ございません。ジグルド・ブリュンヒルデ提督です」
という声が聞こえてきた。
それにミゼットが笑顔を浮かべて、
「おぉ、ジグルド坊ですか。何用ですか? 入ってきても構いませんよ」
ミゼットが『ジグルド坊』と呼ぶほどにジグルドは信頼を得ているのである。
しかし、次の瞬間その信頼は裏切られることになる。
「では、失礼します。………入れッ!」
入れという言葉が合図だったのであろう、突如として扉が勢いよく、そう蹴破られるかのように『バァン!』と開かれてジグルドと数人のものが入ってくる。
「なんだなんだ!?」
「何事じゃ!?」
「………ッ!」
ラルゴとレオーネはいきなりの事態に目を見開き、ミゼットもあまりの事態に言葉を失っていた。
「………さて、おとなしく私の言うことに従ってもらいましょうか。偉大なる三提督よ」
「これは何の真似ですか、ジグルド坊………?」
「見ての通り、クーデターですよ。ミゼット提督」
それでミゼットも信じられないといわんばかりに目を見開く。
だがすぐに気持ちを落ち着かせて、
「なにが目的ですか、ジグルド“提督”?」
ミゼットは真剣な表情になり先ほどまで『ジグルド坊』と呼んでいたのに今では『ジグルド提督』と言い直している。
「なに……あなた方は素直に私の人質になってもらいたいだけですよ。………モリア」
「はっ!」
『ッ!?』
ジグルドの背後から遅れて出てきた男の姿に三人はまたしても目を見開く。
そう、その男は先ほどまで話していたモリア・モルドレッド……その人であったのだ。
「くくく、もう電波ジャックは整っておりますよ、ジグルド提督? さっそく放送しますか?」
「ああ、頼む」
「………!」
ミゼット達三人はジグルドの大剣型デバイス『アスカロン』の刃を自分たちに向けられている事に対
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