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リリカルな世界に『パッチ』を突っ込んでみた
第六話
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かける葵。しかし、その笑いとは裏腹に、その言葉には本気の意思が込められていた。それを感じて、戸惑うユーノ。

「で、でもジュエルシードは危険なロストロギアで・・・!」

「今は俺の命綱だ。」

 ユーノのセリフを途中で遮る葵。

「これを外した瞬間、俺は死ぬかも知れない。」

『・・・!』

 葵の言葉に、全員が驚愕した。

「俺の傷は本当に治っているのか?ジュエルシードの持つ魔力で、強制的に治しているだけじゃないのか?もしそうなら、ジュエルシードを外した瞬間、あの傷が全て戻ってくるんじゃないのか?・・・いや、そもそも、一旦ジュエルシードという規格外のロストロギアに適合して、それを強制的に外すことそれ自体が、俺の命を奪うかも知れない。」

 体の震えを抑える葵。これは演技でもなんでもない。あと数秒遅ければ、彼は二度目の死を体験していたのだ。パッチにより、彼の願いである不老不死への切符を手に入れたが、やはり、もう一度死にかけたというのは彼のトラウマを強く刺激していた。

 そして、それだけの経験をしてやっと手に入れた不老不死への切符。それを奪われたら、彼はどうするだろう?残りの人生を絶望しながら生きるかも知れないし、パッチを奪い返す為に、管理局を襲うテロリストになるかもしれない。

(もう一度死ぬくらいなら・・・周り全てを殺し尽くしてでも足掻いてやる・・・!)

 彼は、本気である。

 葵から滲み出るわずかな殺気を感じ、士郎と恭也は周りにバレないように身構えた。二人共、葵がこれ程までにパッチに執着していることに内心驚愕していた。そして、彼がこれ程に執着するパッチを取り上げるのは、危険すぎると感じた。

「あ、葵さんが死ぬ・・・!?で、でも・・・」

 暴走すれば、最悪惑星どころか次元そのものを崩壊させるほどのロストロギア。一人の命と大勢の命。物語ではよくある構図だが、たかが9歳に選べるわけがない。

「もし、管理局とやらがパッチの所持を認めてくれるなら、俺はある程度の期間管理局に協力してもいい。」

「え?」

「管理世界ってのがいくつあるか知らないけど、相当広いんだろ?この地球っていう一つの惑星だけでも、警察組織の手が足りずに無法地帯化してるところは結構あるんだ。さらに、さっきの戦闘で、魔法には魔法じゃないと対抗できないことが分かっている。なんせ、威力だけなら必殺級の俺の攻撃を食らっても、あの化物はダメージを受けなかった訳だしな。つまり、実際に事件を担当する局員には、魔法の資質が不可欠ってことじゃないのか?全人口の何%が魔法の資質を持つのか知らないけど、人手不足なんじゃないの?」

『・・・!』

 何度目の驚愕だろう。周囲の人間には、葵が限られた情報からここまで推理したようにしか
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