第六話
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「僕は、異世界の発掘の一族。スクライア一族の、ユーノと言います。」
その言葉から始まった、原作には無かった高町家に対する事情の説明。その内容は、大体原作でなのはに語ったものと同じであった。
「移送船が事故に遭い、ジュエルシードがこの周辺にばら蒔かれてしまいました。ジュエルシードは危険なロストロギアです。僕は、その責任を取らなければならない。」
ユーノが自身の決意を語る中、葵は考え事をしていた。
(うーん・・・やっぱりこの事故はプレシア・テスタロッサが起こしたものなのかね・・・。)
第一期『JS事件』の黒幕プレシア・テスタロッサ。まさに管理局の暗部の犠牲者とも呼べる不幸な女性である。管理局の横暴により、地位も名誉も財産も、そして最愛の娘の命すらも失ってしまった悲劇の人物。
普通なら、そこで泣き寝入りするしか無かっただろうが、幸か不幸か、彼女の能力の高さがこの『JS事件』を招いてしまった。失った娘を蘇らせる。神に対する冒涜のようなこの願いに手が届きそうなほどに高い能力を持っていたのが、彼女の最大の不幸だったのだろう。
同情すべき点はいくつかあるも、今の葵にとって、彼女は明確な敵であった。
自身の命を脅かす者は、総じて彼の敵である。
「君だけで何とかなる問題なのかい?」
士郎の言葉に、ユーノは力なくフルフルと首を振った。
「今の僕は、この世界に適応出来ていない状態なんです。魔力の源であるリンカーコアが不調を起こしている。だからこそ、このような姿になって、リンカーコアをこの世界に慣らしているんです。」
『え?その姿本当の姿じゃないの?』
それは、葵を除く全員の声だった。
「え?なのはには既に見せたから知ってるはずだよね?」
「なんのこと!?知らないよ!?」
「え!?まだ見せて無かった!?」
全員が予想外の話に混乱している中、唯一原作知識で知っていた葵だけは驚かず、『やべ!俺も驚いとかないと怪しまれるじゃん!?』と焦りまくっていたのだが、挙動不審な葵の様子を観察するような余裕は彼らには無かった。
「えっと、今の姿は、エコモードみたいな感じかな。本当は葵さんと同じくらいの男なんだけど。」
頭を掻きながら言うユーノ。
「そんな子供が・・・こんな危険な事を一人で・・・!?」
士郎は驚く。なのはや葵は大人びているが、普通このくらいの年齢の子供なら、これだけ大きな事件があればどうすればいいか分からず、右往左往するものだろう。最悪、その時点で逃げ帰っても可笑しくなかった筈だ。異世界の人間は、皆ここまで大人びているものなのか?
「うーん・・・。」
そんな中、またもや葵だけは違うことを考えている。首を傾げ、ユーノをまじまじと見つ
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