暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 第13話 「少年と王さま」
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、同じ話題で話し続けるのもどうかと思う。しかしその一方で、ディアーチェのことを考えると、きちんと俺の意思は伝えておくべきかもしれないとも思った。

「……えーと……俺は別にいいから」
「うん?」
「いや……だからその、ディアーチェがここで生活したいならしてもさ。シュテル用の部屋も今じゃほとんど使われなくなってるし、俺と君の家は昔から付き合いあったみたいだし」
「そ、それはそうだが…………実行するとなるとまた余計な話が……いやしかし……」

 色々と思うところはあるようだが、少しと言っていた割に興味があることを学びたいという想いはあるようで、ディアーチェは口元に手を当てた状態でしばらく考え続けた。

「……貴様の気持ちは分かった。だが今すぐにはさすがに決められん」
「それはまあ……俺達だけで決められることでもないし。それに今後を左右する可能性だってあるんだから、後悔がないようによく考えて決めなよ」
「うむ。……っと、そういえば客が来るのだったな。そろそろ我はお暇するとしよう」

 ディアーチェはそう言って食器を片付けようとする素振りを見せたので俺はそれを制した。

「いいよ俺がやっとくから」
「しかし……」
「ディアーチェはお客さんだろ? こっちがいいって言ってるんだから、たまには素直に甘えろよ」
「そのように言われては仕方がないな……つい話に夢中になってしまっていたが、これが貴様のデバイスだ」

 渡されたのはアクセサリー型。具体的に言えば、手の平に収まるサイズの黒い剣だった。

「これって……アームドデバイスか?」
「貴様は剣で戦う魔導師だと聞いておるし、最近はベルカ式も学んでおるのだろ。何か困ることでもあるのか?」
「いや、てっきり一般的な杖型のストレージかなって思ってたからさ。デザインとかからして一般的な剣型のアームドデバイスでもなさそうだし、予備のデバイスとして持ってていいのかと思って……」
「なるほどな。が、それは貴様のデバイスだ。貴様が持つべき……というか、持っておかんと何か言われるぞ」

 ……この厄介そうというか面倒臭そうな顔からして、このデバイスの製作者はあいつなんだろうな。まあ俺の能力やファラのことを1番把握してるだろうし、理に適ってるとは思うけど。
 ただ……将来的に研究を引き継いだとしても、パートナーという関係にはなれない気がしてきた。現時点で技術の差が明確だし、何よりあちらは天才というか秀才タイプだし。

「では、今度こそ失礼する」
「ああ、今日はありがとう」
「貴様には我の知り合いが迷惑をかけているのだ。気にするな」
「いや、会う頻度からしてそっちのほうが苦労してるだろ?」
「それは……」

 ここで言い淀んでしまうあたり、本当にディアーチェは苦労しているのだ
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