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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第13話 「来訪者」
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矢印、目印になる建造物を丸で囲って書き示した。これで問題ないはずだ。

「これに従えばいい。進むべき方向はあっちだ。」
「・・・あんた、本当に案内する気はないのね。」
「急いでいると言ったろう。ここまで親切に教えてやったんだ。むしろ感謝してもらいたいくらいだ。」

わざわざ書き込んだ後に、間違いのないように目的地の方向を指差してやったんだ。これ以上の親切は俺にはできん。それこそ一夏の領域だ。

「まあ、良いわ。場所が分かればそれで良いし。ありがとねー。」

そう言うと、手を振りながら元気よく走り去っていった。これで良しっと。・・・そういえば、あいつボストンバッグしか荷物を見かけなかったが、あれで足りるのだろうか?



「というわけでっ!織斑くん、クラス代表決定おめでとう!」
「「「おめでとー!!」」」

夕食後の自由時間、寮の食堂に大量のクラッカーの音が鳴り響く。壁にかかった「織斑 一夏クラス代表就任パーティー」という紙製のアーチの下、大勢の女子生徒がおめでたくない苦笑いを浮かべた一夏を取り囲んでいた。

「人気者だな、一夏。」
「本当にそう思うか?」
「ふんっ!」

一夏の右隣には如何にも不機嫌そうな箒がジュースを片手に座っていた。拗ねんなって、箒。この人数の中、隣に座れただけマシなんだから。ちなみに左隣には俺とセシリアが座っていた。セシリアは一夏との間に俺を挟んでいるのでこれまた不満そうだったが、一夏に誘われて座った俺に罪はない。だから恨めしそうに睨むのはいい加減止めろ。

(それにしても、人多すぎだろ・・・。)

ざっと見ただけで50人はいる。一組の生徒数は俺を含めて約30名。明らかに他のクラスの生徒が混じっている。というか、見知った顔と初見の顔がほぼ同数、いや初見の方が多い気がする。リボンの色を見るに上級生も少なからずいるようだし、お前らそんなに暇なのか?

「はいはーい、新聞部でーす!話題の新入生、織斑 一夏くんと神裂 零くんに特別インタビューをしに来ましたー!ほら、どいたどいたー!」

ガヤガヤと喧しく騒ぐ女子生徒の群れを押し退けて一人の女子がこちらに近寄ってきた。手にはボイスレコーダーを握り、肩にはちょっぴり高そうなカメラを引っ提げ、腕には「新聞部」と達筆に書かれた腕章をつけている。なんとまあ分かりやすい。もはや古典的と言ってもいいくらいだ。ボイスレコーダーがメモとペンなら尚良かった。

「私は二年の黛 薫子。副部長やってまーす。よろしくね。はいこれ名刺。」

これはご丁寧にどうも。名刺なんて初めて受け取ったぞ。随分と手際の良いものだ。俺も持ち歩いてみようかな?書くべき役職なんて持ち合わせてないけど。

「ではまず織斑くん!ずばり、クラス代表になった感想をどうぞ!」

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