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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
河童の川流れ
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苗を無視し、間髪入れずに答える。

「私も人間だな。ここに来たのは―――とその前に問うが、君は妖怪の河童で合っているだろうか」

早苗には悪いが、このまま人間だと勘違いさせておく。
確かめたいことができた。もし、私の推測が正しければ―――

「うん、そだよ。河城にとりって言うんだ」

「私はエミヤシロウという者だ。そして彼女が―――」

ふと、未だに早苗の口を塞いだままだったことを思い出し、慌てて離す。

「………東風谷早苗と言います」

不機嫌そうに答える早苗。
帰ったら好きな料理でも作ってやるから勘弁して欲しい。

「実は、君達に訊きたいことがあってな。忙しいようなら―――いや、すまない」

言い掛けて、口を紡ぐ。
にとりは顔を真っ赤にしている。先程までの自分の姿を思い返しているのだろう。
あの状況で忙しいという言い訳は流石に無理がある。
だからこそ羞恥で身体を震わせつつも、恥の上乗りになると理解している故にそこで留まっていられる。

「と、とにかく訊きたいことがあるなら何でも訪ねておくれよ。大抵の事なら何でも答えちゃうよ」

乾いた笑いと共に、理想の解答が返ってくる。
半分は照れ隠しのようなものだろうが、早苗の言う通り人間に好意的だからこそという部分も少なからずはあるのだろう。

「あ、でもそれなら立ち話もなんだし、私の工房に招待するよ」

「工房………?」

「うん。とにかくついてきてよ」

促されるまま、私達はにとりの後に続いた。
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