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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
河童の川流れ
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ったかのような瞬間は、少女の奇怪な行動によって崩される。
「――――――ッ!!」
バシャバシャと音を立てて暴れている様に、二人して疑問符を浮かべる。
気のせいか、喉元を押さえている、ような―――
「暴れていますね」
「ああ、暴れているな」
そして沈んでいく少女の身体。
「………沈みましたね」
「………ああ」
水泡が小さく浮かんでいき、やがて消えたかと思うと、少女がうつぶせの態勢で浮かび、そのまま流れていく。
その様子を数秒見守り、早苗が叫ぶ。
「いやああああああ、お、溺れ、河童さんが、溺れ」
「落ち着け」
早苗もあの少ない状況証拠から把握したらしく、混乱したように虚空で手を無造作に動かす。
彼女の両肩を押さえ、それだけ呟いてすぐに河童少女の下へと向かう。
幸いにも流れは穏やかで、簡単に追いつくことができた。
躊躇うことなく川へ飛び込み、動かない少女の身体を抱え、脱出する。
地面に前屈で座らせ、背中を叩く。
「うぇっ、げほっ、げほっ!」
器官に詰まっていたであろうキュウリの破片と共に、呼吸が再開される。
そしてタイミング良く早苗とも合流を果たす。
「だ、大丈夫なんですか?」
「そのようだな」
それを聞いた早苗は、よかったと胸を撫で下ろす。
心の底から心配していたらしく、大げさだなと思いつつもその優しさには感心する。
呼吸が落ち着いたらしく、弱々しくも声を発する。
「あ、ありがとう。助かったよ」
「どういたしまして、と言いたいが………そもそも私達のせいでこんなことになってしまったらしいし、感謝されることじゃないさ」
「え、どういうことですか?」
「つまり、彼女は私達の姿を見て驚いたせいで、喉を詰まらせたのだよ」
早苗の疑問に、簡潔に答える。
そうでなければ、あの奇怪な動きと一連の流れに説明がつかない。
「う、うん。そうなんだけど、それでもありがとうだよ」
はにかんで答えるその様子からは、社交辞令を感じさせない純粋な感謝の思いを感じる。
「しかし驚いたのはわかったが、何故驚いたんだ?」
「そ、それは………。私が単に小心者ってだけだよ、うん」
どこか含みのある返答だったが、追求するのも野暮だと思い、これ以上話題に触れることはなかった。
「それより、君達人間だよね。どうしてこんなところに来たんだい?」
今、少女は私を人間と呼んだ。
その事実は、あらゆる疑問を瞬時に浮上させていく。
「はい、私は人間です。けど、彼は―――モガッ」
訂正しようとする早苗の口を手で塞ぐ。
抗議の視線を向ける早
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