暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
現状を知り、今後を憂う
[3/8]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
だからだ。
外見なんて重要ではない。そこから滲み出る不気味さこそ、愛嬌のある行動が演技だという何よりの証拠となる。少なくとも、善意で満たされている存在が、あんな雰囲気を意識的だろうとなかろうと出せる訳がない。
恐らくは神奈子が元来の神のイメージで、諏訪子がその真逆のイメージで行動することによって、従来のイメージを維持し、かつ身近な存在であるという矛盾を一般人に刻むことができる。
その矛盾は現実の境界を曖昧にする。半端だからこそ、決して神を存外に扱うようにはならないし、しかし親しみやすさは損なわない。
完璧とは言い難いが、考えているな。神という存在が実像として認知されている幻想郷だからこそ通用する手法と言えよう。
だが、何故私には嘘の姿を晒さなかったのだ?
出逢った当初から子供らしからぬ態度で接してきたことを考えると、最初から隠し通す気がなかったというのが良く分かる。
問題は、その考えに到った理由。
出逢いが特殊だったとはいえ、私だって彼女からすれば村人Aと大差ない認識だった筈。にも関わらず彼女は、培ってきたイメージを無視してまで別の認識を優先して私に植え付けた。
嘘の自分がバレて信用を失う可能性を考慮したというのも、神奈子が壁越しにではなく直接姿を現したのも、今後私と深く関わっていくという前提で行動しない限り、無駄な行動で終わるどころか、自分達にとって最悪の結果―――偽りの姿で接していたという事がバレて信仰を失う可能性がある―――しか生み出さない。
………だが、もし最初から私を守矢神社に居候することが計画されていたとしたら?
長く日夜を共にしていればボロが出る可能性も大いにあるだろうし、だったら最初から演技をする意味はないと判断していたのなら。神奈子が姿を見せたのも私を守矢神社に住まわせる事が確定していたからであったなら。そう考えると矛盾はない。
しかし、そうする意図が掴めない。
知らず彼女達にとって知られたくない事実を見てしまい、口封じがしたかったという理由だとすればあまりにも遠回りすぎる。諏訪子はともかく、神奈子からは一切敵意を感じなかったというのも信用の裏付けになる。
だとすればもっと別の理由か。打算のない善意の可能性を否定するつもりはないが、何せ諏訪子のことだ、独断で何か私を利用する計画を練っていても不思議ではない。
何にしても、私の現状は彼女達の掌の上で踊らされた結果だという結論が出せる。
となると、守矢神社から住まいを変えるのも一筋縄ではいかないだろうな。
表向きは否定していなかったが、本格的に動き出せば妨害が入ると思っていいだろう。
………いかんな。周囲がこうも敵だらけかと思うと、無意識に外周全てが敵だと認識してしまいそうになる。
「―――どうした?渋い顔をして
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ