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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
現状を知り、今後を憂う
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「汚い場所だが、あがってくれ」
そう言って招かれた先にあったのは、周囲の景観と何ら変わらない―――悪く言えば面白味もないぐらい普通な―――江戸時代風の家だった。
促されるまま、私は慧音の後に続きお邪魔する。
汚い場所、なんて卑屈な発言はあったが、それなりに綺麗にはしているようだ。
世界観から推測しても、掃除機なんて機械類が流通している訳もないだろうし―――守矢家にはそういうのはあったが、あれは元からあったものだろうし例外として扱う―――それを考慮すれば寧ろ綺麗すぎると言っても良いぐらいだ。
そのまま茶の間に誘導され、待機するよう指示される。程なくして、お盆にお茶菓子と湯飲み二人分を乗せた慧音が戻ってくる。
「さて、早速話をしようか。―――とは言っても、あまりにも広義過ぎる故、どこから手をつけたらいいものやら」
「ふむ………では、あの山にある神社は一体なんなのかね?あんな場所に神社があるなんて、普通じゃないから気になっていたんだ」
慧音が迷っていたところに、白々しく誘導する。
あくまで守矢神社を知らないという体で聞き、それを踏まえた上での第三者の意見を知りたかった。
これは予め想定していた話題であり、これならば事前に早苗達の人格をある程度理解している為、人格が固定されそうな情報は控えたいという私の願望から外れた場合でも、デメリットなしに注意ができる。
それに―――特にあの神二人が、幻想郷で何を為しているのかにも興味があったというのが大きい。
いずればれる事をひた隠しにする理由もないし、私が相手だからといって隠す情報が重要でないことは想像がつく。
そうではなく、彼女達が私以外にどんな対応をしているのかが、重要なのだ。
彼女達の対応が、私とその他一般人を相手にするのと同一なのか、それとも私だからなのか。それが知りたかった。その度合いで私をどんな目で見ているのかが予測がつくからだ。
善意ならそれでよし、悪意なら警戒する。言葉にすれば単純だが、私のこれからを示す重要な鍵である。故に、最低限寝首を掻かれないかどうかの確証が欲しい。その比率如何によっては、自宅を持つ為の行動を早めるべきだ。
「ふむ………あれは一年跨いで半年前程の出来事だろうか。それは突如として妖怪の山の頂点に現れた。それもあまりにも突然で、妖怪の山に住む者以外はその事実に気が付かないほどの自然さで。詳しい自体は本人達の問題なので知らないが、それを異変と捉えたらしい麓の巫女はその問題を解決。―――正直な話、知らない人間にとっては彼女の行動は不可解以外の何物でもなかっただろう。事実、私もそう認識している」
「成る程。ふむ、一番訊きたかったことの前に訪ねたいことができた。麓の巫女、とは?」
「麓の巫女―――
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