第八幕その五
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かかしと木樵がいました、そしてなのでした。二人共です。
すぐに一行のところに来てです、そうして尋ねるのでした。
「一体どうしたのかな」
「旅をしているみたいだけれど」
「何かあったのかい?」
「困っている感じだね」
「ええ、実はね」
ドロシーが二人にです、皆が旅に出た理由もこれまでのことも全てお話しました。勿論今の蔦のこともです。
その全てを聞いてからです、かかしがこう言いました。
「それならいい案があるよ」
「その案は?」
「うん、要は蔦に捕まらずに燃やせばいいんだね」
「それはそうだけれど」
「それならだよ」
ならばだというのです。
「まずは蔦を切ることだよ」
「では僕の出番だね」
ここで木樵が名乗り出るのでした。
「僕の斧で蔦を切ってだね」
「そう、木樵君の斧に切れないものはないからね」
だからこそだとです、かかしも木樵にお話します。
「まずは絡め取ろうとする蔦を切って」
「それからね」
「あらためてですね」
カルロスがかかしに尋ねます。
「蔦に油をかけて」
「それもたっぷりとね」
「そして燃やせばいいんですね」
「あの蔦は放っておくとよくないよ」
かかしもこう言うのでした。
「皆の迷惑になるからね」
「だからですね」
「そう、何としても排除しておかないと」
「それでなんですね」
「確かにどうしようもない状況ならね」
これまでのドロシー達の様にです。
「避けるしかないけれど」
「今はですね」
「木樵君がいるからね」
その何でも切れる素晴らしい斧を持っている木樵がです。
「蔦を切って燃やそう」
「わかりました、それじゃあ」
「まずは僕が行くよ」
木樵が斧を手に前に出ました、そうしてです。
一人蔦の方に歩いて行ってです、斧を両手に持って。
自分の方に来る蔦をです、片っ端から切っていきました。そうして蔦を短くしてでした。蔦はもうちろちろと動くだけになりました。
その蔦を見てです、かかしは言いました。
「さて、後はね」
「燃やすだけですね」
「油をかけてね」
「油なら」
ドロシーはテーブル掛けを敷いてでした、そこからです。
油を出しました、それは菜種油でした。かかしはその油を見てまた言うのでした。
「さて、次はね」
「この油を蔦にかけるのね」
「そうしてね」
「火を点けて燃やせば」
「蔦は退治されるよ」
無事にです、そうなるというのです。
「ではいいね」
「それじゃあね」
ドロシーがその油が入った容器を持ってでした、蔦に近付きました。蔦はもう完全に切られていて根元がちろちろと動いているだけです。
その蔦を見つつです、ドロシーは蔦全体に油を丹念にかけてです。
今度はマッチを出して火を点けます、する
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