第199話 金色の妖精と黒の妖精
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ら俺に捕まっちゃうよ?」
ナデ「!」
セイ「しまった!」
ジュ「こ・・これは・・・!」
ロッ「か、体が・・動か、ない・・・!」
いつの間にか、セイン達の足元に赤黒い魔法陣が浮かび上がっており、体が石のように動かなくなってしまっている。
悪魔5「さーて、誰を一番最初に調理しよっかなー?」
悪魔の赤黒い瞳が、セイン達の事を順々に見回していく。
悪魔5「よし!決ーめたっ♪」
満足そうに頷く悪魔は、鋭く尖った爪先で指差した。指を差されたのはシプだった。
セイ「止めろォ!」
悪魔5「俺は一度決めた事は、達成するまで変えない主義なんだ。それに、その子すっごく美味しそうだし〜♪」
シプ「!」
悪魔は、本物の“悪魔の微笑み”を浮かべながら、背中に背負っている風呂敷から包丁を取り出した。月明かりに照らされて、包丁の刃がギラリと光る。
スミ「!シプさん!透明になれば・・・!」
シプ「!そ、そっか!」
スミレに言われてシプは自身の姿を透明にしようとする―――が、
シプ「あ・・あれ・・・?」
ナデ「ど・・どど、どうしたんです、か・・・?」
シプ「・・な、なれない・・・と、透明に・・なれないよォ〜!」
なぜか透明になる事が出来ないシプは、大粒の涙をポロポロと零し始めた。
ジュ「もしや、この魔法陣が・・・!」
悪魔5「ピンポ〜ン!その魔法陣は、相手の動きを封じる事が出来、尚且つ、相手の能力なども封じる事が出来るんだ。つまり、お前等は今、魔法が使えないっていう訳だ。」
悪魔がそう言うと、セインが試しに炎杖を振るってみた―――が、上下左右どんなに振っても、炎杖は炎を繰り出す事が出来なかった。
悪魔5「という訳で・・・」
悪魔は手に持った包丁の刃先をシプに向けた。シプはギュッ!と固く目を瞑った。
悪魔5「死ねえええええええええええええええええええええええええっ!」
悪魔がシプに向かって包丁を投げた。
セイ「シプーーーーー!」
スミ「イヤアァアァァアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
セインとスミレが叫んだ。
悪魔が投げた包丁は、カクンと向きを変える事も、スピードが落ちる事も無く、シプの胸目掛けて一直線に飛んで来る。ナデシコとスミレはもう見ていられなくって固く目を瞑り、セインは目に涙を溜めシプの名前を呼び続け、ジュラは静かに目を閉じ、ロッカーとセメスは歯を食いしばっていた。
当たる!と誰もがそう思った時―――――シプが消えた。
狙いが消え、包丁はそのまま一直線に飛んで行き、ズカッ!と鈍い音を立てて木の幹に突き刺さった。
悪魔5「なっ・・!
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