第199話 金色の妖精と黒の妖精
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ディオは不敵に微笑むと、右手をくいっと動かした。「来い」という意味だろう。お望みどおりにショールは小さく地を蹴り駆け出した。
素早くオーディオの背後に周り込むと、
ショ「炎風拳斬!!」
紅蓮の炎と吹き荒れる風を纏った拳を同時にオーディオの背中に叩き込んだ―――が、
オー「効かないわね。」
ショ「!」
ショールの攻撃はオーディオには一切効いていない。
ショールが戸惑っている隙に、オーディオは指先に黒に近い青色の圧縮した魔力を溜めていた。
オー「ハァ!」
オーディオの指先から魔力が放たれた。圧縮された魔力は一筋の閃光になってショール目掛けて一直線に放たれた。
ショ「無効化!」
オー「!」
ショールが叫んだのと同時に、魔力の閃光はシュゥと蒸発してしまったかのような音を立てて消えた。つまり、無効化されたのだ。
ショ「効かないな。」
先程オーディオが言った事と同じ事をショールも言う。
ショ「俺の攻撃も、お前の攻撃も・・・お互い相手には効かない。五分五分って事だな。」
オー「あーら、悪魔を甘く見ない事ね。本気になれば、たったの一撃であなたの体を消す事だって出来るのよ?」
ショ「今の見ていなかったのか?お前の攻撃は、俺の魔法、手品の1種である無効化によって無効化とされる。逆に俺の攻撃は、お前が防がない限り当たり続ける。それに、手品には相手の急所や弱点を探る事が出来る、透視という能力もあるんだ。」
オー「なっ・・!?」
ショ「俺は嘘をつかないんだけど、嘘だと思うなら、実際に探り当ててやろうか?お前の急所と弱点。」
ショールはニィッと口角を上げて勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
オー「あなた・・・なかなかのキレ者のようね。」
ショ「よく言われるよ。」
悪魔も「キレ者」だと認めるこの男―――――。敵に回したら厄介なタイプである事には間違いない。
オー「だけど―――――紛失!」
ショ「!?」
オーディオが叫んだが、何も起こらない。
ショ「(な・・何だったんだ・・・?)」
ショールは戸惑ったような目を泳がせるが、やはり何も起こらない。
オー「ハァ!」
ショ「!」
ショールが戸惑っている隙に、オーディオは再び指先に圧縮した魔力を放った。さっきよりも速い!
ショ「だから効かないって!無効化!」
ショールが叫んだ―――が、魔力は無効化されない。
ショ「え・・・?」
オーディオが不敵な笑みを浮かべた。
ショ「そ、そんな・・・!無効化が、効か・・ぐああぁああぁぁああああああっ!」
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