第199話 金色の妖精と黒の妖精
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―クロッカスの街 北側―
突如姿を現した10頭の悪魔のほとんどは、腕を振り上げ、武器を振るい、魔力を放ち、建物を次々と破壊していく―――――のだが、この悪魔は違う。
悪魔5「待て待てェーーー!」
ロッ「ヒィイイィイィイイイイイイイ!」
セメ「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!」
攻撃を仕掛けてきた魔道士達を追い掛け回しているのだ。え?何で追い掛け回しているのかって?それは―――――、
悪魔5「俺の食い物待てェーーー!」
食べる為である。
この悪魔、他の9頭の悪魔と比較するとかなり太っており、背中にはなぜか肉や魚、野菜や果物、飲み物や調味料、フライパンや包丁、まな板やガスコンロが入った赤黒い大きな風呂敷を背負っていた。
この悪魔は街中で暴れ回るより先に、“腹いっぱい食べる”事を重要とし、街中に座り込んで自分が持っている食材と調理道具を使って料理を作ろうとした時、魔道士達=人間が攻撃を仕掛けてきたのだ。
調理の邪魔をして怒り狂い追い掛け回している―――――のではなく、悪魔の目には人間がとても美味しそうに見えたのだ。
ロッ「な、何で俺等がこんな目に合うんだよーーーっ!?」
セム「俺等食べても絶対美味しくねェぞーーーっ!」
悪魔に追われている四つ首の猟犬の魔道士、ロッカーとセメスはかれこれ10分近く全力疾走しっぱなしである。もう体力は限界である。だが、相手は人間の5倍ほどもある巨体の悪魔。悪魔の1歩が彼等の10歩ぐらいなのだ。少しでもスピードを落とせばあっという間に食われてしまう。
ロッ「(いつまで俺等囮になってればいいんだよォ!?)」
セメ「(頼むから、早く攻撃してくれーーーっ!)」
とっても命懸けなのだが、これは作戦だ。どんな作戦かと言うと・・・↓
@ロッカーとセメスが囮になって悪魔を誘き寄せる。
A他のメンバーが悪魔の攻撃を放つ。
という、あっさりとした作戦だ。因みにこの作戦を考えたのは月の涙の魔道士、セインである。
ロッ「(合図はまだかよっ!?)」
セメ「(早く早く早くーーーーーっ!)」
その時だった。
「♪〜」
ロッ&セメ「!」
どこからか心を落ち着かせる音色が聞こえて来た。
この音色は幸福の花の魔道士、スミレが持っている横笛の音色で、“悪魔から離れろ”という合図だ。
悪魔5「綺麗な音だな〜。」
音色を聞いた悪魔は、作戦通り油断している。その隙にロッカーとセメスは建物の陰に隠れた。そして、
ナデ「フラワーメイク、槍騎兵ッ!!」
シプ「透明魔法!えい!」
スミ「緑の反乱!
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