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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
乾坤の神
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が、この少女の纏う雰囲気によって、私を捕食せんと舌なめずりしている風にさえ錯覚してしまう。
粘着する視線。虎視眈々と隙を伺う捕食者の如き有り様。
はっきり言おう。彼女は、危険だ。
絶対悪のような単純な定義に当て嵌まらず、それ故に質が悪い。
―――それこそ英霊エミヤのように、信念を貫く過程に払う犠牲を仕方ないと割り切るタイプだ。
同族嫌悪、とまではいかないが、共感すると言うことは、私達がより近しい存在なのだと暗に示しているのであり、恐らく彼女も私と同じ思いを抱いているであろう。
………少なくとも、目の前の少女は私を逃がす気はないらしい。
目的は定かではないが、大人しく従った方が合理的ではありそうだ。
「ふむ、ならば茶請けのひとつでも用意してもらいたいものだな。私を歓迎するということは、相応の待遇を期待して当然だからな」
「ああ、そんなの幾らでも用意してやる。その代わり―――とことんはな
束縛
さないから、そのつもりでな」
ニヤリと笑みを浮かべるその姿は、あまりにも少女が放つには似つかわしくない程に邪悪。
早苗はこの展開についていけてないのか、ポカンとした様子でこちらを見つめている。
女性の方は、申し訳なさそうな視線で私を見つめている。彼女も少女と同じ考えでこの場に赴いたのだろうが、彼女に比べて穏便に事を済ませたかったのではと推測する。
どちらにせよ、当面はこの少女を注視するのが最優先にするべきなのは変わらない。
さて、単なる談笑に終わるか、狐の化かし合いとなるか。せいぜい楽しみにさせてもらうさ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
あれから、境内の横にひっそりと建てられていた一軒家に案内されることになった。
神社に比べて質素な作りをしているが、本殿を引き立たせる為の措置なのだろう。
神社の形態には詳しくないが、本来境内の中に住まいとしての家は建てるものではない筈。
それは言わば衛宮家の土倉の中で生活しているようなものだ。普通では考えられない。
まぁ、柳洞寺に神殿を形成という後付け方法の例も無くはないが、順序が逆な時点で例えとしては些か不適切か。
「さて、一方的な質問はフェアじゃないし、まずはこちらの自己紹介といこうか。私は洩矢諏訪子、言ってわかるかは知らないけど、土着神―――まぁ、神様の一種だよ」
「私は八坂神奈子。私も神だが、まぁ山の神とだけ理解しておいてくれればいい」
まさか二人の正体が神とはな………。
私とは違い、サーヴァントではないのはこの圧倒的力の差で判断がつく。
敵に回すような真似はしたくないので、返答は慎重にしなければ。
「………エミヤシロウだ。私は―――なんと言えばいいのやら」
「別にありのまま答え
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