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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
乾坤の神
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戯言と呼ぶに相応しいそれを信じているという事実に問題があるんだ」

「別に、根拠もなく信用しているのではありません。貴方とこうして交流していく内に、信じるに値する人物だと判断したからこそです。………特に、ここに住んでいると貴方のような人が悪であるとは到底思えなくなるんです」

彼女の言葉の端に、どこか引っかかるものを感じるも、それを無視して話を続ける。

「―――ともかく。今回はいいが、次からはもう少し警戒したまえ」

「はい」

会話も一段落つき、そろそろお暇しようとした時、突如二つの気配が膨張し出す。
何時の間に境内に侵入した?今この時まで、これ程の存在感をどうやって隠していた?
目を丸くしている早苗を尻目に、自然な動作で彼女を背後に庇い、周囲を警戒する。
サーヴァント、いやそれ以上の力の波を感じる。
私一人では同時に太刀打ちはまず不可能、一対一でも相性が良くなければ敗北は必定。
敵意は感じないが、いざ襲われたことを考えて、常に退路を意識する。
こういうとき、現在の地理を一切知らない現状がとても辛い。

「―――そんなに警戒しなさんな。と言っても無駄だろうけどね」

そんな言葉と共に現れたのは、女性と少女だった。
だが、そんなものはなんの指針にも成り得ない。
器ではなくその中身を見れば、侮るなんて真似は愚行だと言わずとも理解できる。

「諏訪子様、神奈子様」

ふと、背後にいる早苗からそんな言葉が漏れ出す。

「知り合い、か?」

「はい」

嘘を吐く理由もないだろうし、本当のことだろう。
庇う姿勢を解くと、満足した風に少女が頷く。

「こんにちは、部外者さん。うちの早苗を護ろうとしてくれたことは感謝するよ」

「それも徒労だった訳だがな」

「いやいや、さっき早苗が怪我しそうになったのを助けてくれたから、これでいいのさ」

「………見ていたのか」

「肉眼ではないけどね。この周囲一帯は私の監視が広がっていると思ってもらえば結構」

つまり、私がここに来た瞬間から、この二人に私はマークされていたということになる。
しかし、何故今になって出てきた?
侵入者を撃退しに来たにしては対応が遅すぎるし、何よりも友好的と言えなくもないこの態度。
それに彼女の発言を信用するのであれば、私達の行動は終始監視されていた。それなのに今更出てきたというのには、何か意図があってのことだろうか。

「で、君達は私に用があるのかな?このタイミングでの登場は、そうとしか思えないが」

「その通り。ぶっちゃけた話、興味が沸いたんだよお前にね」

興味、ね。
正直なところ、妙な空気を感じる。
女性の方は普通だ
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