暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校〜黒衣の人間主神〜
九校戦編〈上〉
九校戦一日目(3)×魔弾の射手と優勝簡易祝杯
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なる。相手選手も死角があれば撃てないと判断したが、それはミスだな。どんなに命中精度がよくとも直線軌道には限界があっても、俺らでいうビット攻撃なら死角無しで撃てるからだ。

「『魔弾の射手』・・・・これはとても厄介な魔法だな『まるで俺らで言うならライフルビットで死角無しの攻撃をしているという事だ』情報によると去年よりも速くなっているらしいな」

空中を乱舞するクレーから目を離さず、頷く仕草だけで深雪も理解しながらだった。白いクレーの向こう側を飛ぶクレーを下から撃ち抜くドライアイスの弾丸。誘導弾では無い事くらいは分かっているし、白いクレーと赤いクレーが同時に射出された後に真下から魔弾を作りだすのではなく銃座だ。スピード・シューティングでも魔法で弾丸を生成して狙撃する会長の戦い方をする選手は例外で、クレーに移動魔法をかけて別のクレーにぶつけて破壊する。という戦い方がこの競技の主流で、魔法は物理的な障害物に左右されないのだから、今のようにブラインドになった標的破壊するのに特別な技術を使用する必要性は本来ない。

『魔弾の射手』と名付けられた遠隔弾丸生成・射出の魔法は、何を目的とし如何なるメリットを有するのか。他人が魔法を使用している領域外から死角をついて攻撃する事が出来る、という点だけだ。対戦で、互いの振動魔法を撃ち合った場合には、魔法対象となる紅白の標的が接近している時、互いの魔法が干渉して魔法発動しないか超音波による衝撃波を撒き散らすとかを引き起こす場合がある。

「『魔弾の射手』はドライアイスの弾丸を撃ち出す魔法『ドライ・ブリット』の射出点をコントロールするバリエーション。十師族・七草真由美が得意とする殺傷ランクある魔法だ。スポーツ競技ならまだしもここが戦場で前線だった事を想像してみろ、殺傷能力を最大にしてみたらの場合をだ」

そう言ったら皆顔を暗くしていた、死角のない遠距離攻撃をしてみたらどうなるか。まあ俺達も魔法ではないが、ビットによる死角攻撃をしているからかこうなったとしても守れる事は可能だ。対戦型スピード・シューティングは魔法発動速度と魔法力の集中を要求されるが、会長は魔法行使領域外から狙撃する事で一人で魔法を行使する事となっている。そうなれば自然的に速度と照準を精確さの勝負となる。

「まあ今の日本は、一人で戦争を勝利から導く切り札とも言えるのが、日本最強の魔法師集団である『十師族』というもんだが。勘違いしては困る事もある、確かに魔法では最強だがそれは人間相手だったらの話だ。世界最強の組織というのが『ソレスタルビーイング』というもんだ」

一日目の競技で、スピード・シューティングは大方の予想通り、男子部門と女子部門で一高が優勝した。

「会長、おめでとうございます」

あずさの祝福に、真由美が笑顔で頷く。


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