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無欠の刃
下忍編
誤解
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ときなどは、きっと、こんな風に視線を逸らしたとしても、逸脱の術を発動させ、視線を逸らしたという事実から視線を逸らさせるのだろう。
 だからこそ、妙な確信がカカシにはあった。
 今、目の前にいるカトナは嘘をついている。
 じっ、と見続ける。視線を受け続けたカトナが、どんどん俯いていき、やがて、耐えきれなくなったように勢いよく顔を上げた。

 「…先生に気づかれるの、予想外」

 そう言って困ったように首をかしげたカトナは、はあ、と息を吐きながら、髪の毛をかきあげ、カカシに自分の首元を見せる。刻み付けられた呪印に、知らず知らずのうちにカカシの目が細められる。

「呪印か」
「変な蛇野郎、つけた。そいつの部下、音使って、攻撃。チャクラの消費、呪印で大量、最善策、鼓膜を破る。実行した。結果、今」

 そう言いつつ、カトナは九尾のチャクラで的確に鼓膜を直していく。
 離しながらという気が散りそうな行為の中でも、その精度は狂うことなく、一つ一つ丁寧に耳の鼓膜を縫い合わせるようなイメージでチャクラを動かす。

「今、封印中。けど、完全に無理。チャクラを吸わない様、改造、試みる」
「なるほどな…。で、その蛇野郎だが、大体の見当はついている」

 するりと、最後の最後まで上手く縫い合わせて、鼓膜をもとに治したカトナは、カカシに視線だけ贈る。その脳裏によぎるのは、あの、胸糞悪い奴の姿で。

「だれ」
「大蛇丸。木の葉の三忍だ」

 流石に、これはカトナでも予想外だったらしい。ぽかんと口を開け、呆気にとられたような表情をした彼女に、流石にカトナでも驚くかと内心で逆にこちらが動揺しながらも、カカシは頷く。

「確定ではないが、多分、その可能性が一番高い」
「…ふさけすぎ、中忍試験に、三忍、侵入許すのって、どんなざる警備」
「そう言うな。ここの試験生の顔をはぎ取って侵入してきたらしい。さすがにそこまでされたらわからないだろう」

 その言葉に更に何らかの言葉を紡ごうとしたが、カトナは直線で自分の頬に手を当て、呟く。

 「顔を、はぐ…」

 ぞくりと、カトナの背筋に悪寒が走った。
 あの下には別人の顔があったというのか。そしてまるで自分の顔のように動かしていたのは、他人の顔だったのか。さすがのカトナさえもぶるりと震え、そして困ったように尋ねた。

「顔を剥ぐなら、顔面やっぱり違う?」
「まぁ、違うだろうな」
「じゃあ、警戒しなきゃ」

 サスケには手を出させない。
 ナルトには触れさせない。
 この身がどうなろうとどうでもいいが、二人には手を出させない。
 この身を犠牲にしてでも、父さんたちから頼まれた大切なことも、ナルトも守る。
 あんな奴らなんかに大切な物すべて傷付けさせはしない。
 そう決
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