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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
運命の紅
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大丈夫か?」

「え?あ、あれ?なんで?」

思考が混乱しているせいで、言葉が定まらない様子。

「屋根の上から足を滑らせたのだよ、君は。だから危険だと言っただろうに」

その言葉でようやく現状を理解したらしく、同時に自分が抱きかかえられているという事実にも気付く。
しかもその体勢が横抱き―――俗に言う、お姫様抱っこと言う奴である。

「ご、ごめんなさい!すぐに降ります!」

顔を真っ赤にしながら手の中から離れる。
ここで暴力に走らない辺り、出来た子だと思う。

「次からは気を付けたまえ。今回は私がいたからよかったものの、一人でなんて言語道断、例え複数人いたとしてもこうなるとは限らないんだ。もっと身体を大事にしないと、悲しむ人が出てしまうぞ」

「………はい」

しゅん、と大きく項垂れる。
きつく言っておかないと、ちょっとした油断で怪我に繋がってしまう。
これっきりの関係とはいえ、注意のひとつぐらい普通だろう。
不特定多数の個人に依存しすぎた故の身の破滅だったとはいえ、これぐらいでどうこうなる訳もあるまい。

「私を監視したいのはわかる。だが、これ以上君に関係する事柄に対して不利益を出すつもりはない。信じてくれ」

何か言いたそうな素振りを見せると、一呼吸置いて無言で頷くのを確認した私は、再び屋根に昇る。
そこには先程までの作業風景の他に、大きな穴が出来上がっていた。
英霊の脚力に耐えられる木製の屋根などある筈もない。
身から出た錆とはいえ、無駄な仕事が増えたことに溜息が出そうになる。

「やれやれ、先は長そうだな」

日が暮れる前に片付けられるか。そんな思考に浸りながら作業を再開した。

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