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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
運命の紅
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―――――」
味わうように、ゆっくりと一言ずつ呟く。
目を閉じ、数秒の沈黙の後に開かれた瞳には、光が宿っていた。
「私、頑張ってみようと思います。どんな境遇でも悲観せず、絶対にやってやろうって思える程の、やりたいこと探し」
「そうか」
決意を聞き届けた私は、再び作業に取り掛かる。
淡泊かもしれないが、こういうのは多く語れば良いというものではない。
理想論かもしれんが、想いは確実に伝わっている筈だ。
「あの、これ………」
どれぐらい時間が経っただろうか。
早苗の声に振り返ると、麦茶を差し出す姿勢で止まっていた。
「―――ありがとう」
一瞬必要ないと言いそうになるもなんとか呑み込み、礼を言う。
前の私ならそのまま突っ返していたところだが、これも成長か。
サーヴァントが成長―――なんとも似つかわしくない。
だが、その事実がこんなにも嬉しく思える。
一時にのみ顕現する偽りの生命。
決して本物に成り得ない、ただの模造品でしかなかった私が、本物とは別の道を進みつつある。
………ふと、思う。今の私は一体なんなのだろう、と。
私は聖杯から生み出された存在。
聖杯と繋がっているからこそ、マスターの魔力により存在を維持できる、酷く不安定な存在。
ここに来たところで、聖杯がカタチを失えば共に朽ちる運命にある。
にも関わらず、私はこうして生きている。
あの時点で、聖杯はもう破壊されていた筈。ならば現状が聖杯の消えるまでの猶予期間とは考えにくい。
可能性としては、受肉しているというものがある。
経験がないので感覚に差違があるのかはわからないが、少なくともサーヴァントだった頃と違いは感じられない。
しかし、魔力供給を受けている感覚がない以上、その線が一番有力と言える。
それもこれも、恐らくはあの声の主の仕業だろうが………奴は一体何者なんだ。
いっそ清々しいほどに常識を覆していく奴の行動は、アルティミット・ワンが絡んでいると言われても納得できそうなレベルである。
「手際が良いんですね。素人目からでもわかります」
「やると言うからには、相応の実力がある自信があると思ってもらわないとな。あと、コップは返すよ」
「そうですよね。では、私はこれを片付けてきま――――――」
突如、早苗が空へと投げ出される。
不安定な足場のせいで、足を滑らせたのか。そんな思考と平行し、私は爆ぜた。
屋根を踏み抜くほどの脚力で少女へと迫り、瞬時に抱きかかえて地上に降りる。
「あっ―――」
コップの割れる音と共に、少女は声を漏らす。
着地したその後も、何が起こったのかわからない様子で目を白黒させていた。
「
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