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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
運命の紅
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の数々。
この短期間でこれ程の材料を回収するのは普通は無理だ。だからこそ、問い掛けたのだろう。
「企業秘密、というやつさ。別に中に爆弾を仕込んでいたりはせんよ」
「そ、そんなこと言われたら余計に不安になるんですが………」
「冗談だよ。そもそも必要性を感じない」
道具を仕分けし終え、そのまま作業を始める。
その様子を早苗は静かに見守るだけ。
互いに言葉を発することなく、淡々と作業が続く。
そんな釘を打つ音ばかりが反響する空間に、端を発したのは早苗からだった。
「手慣れているんですね」
「まぁ、趣味のようなものさ。君達から見れば、ガラクタいじりが趣味の冴えない奴ってことさ」
「そんなことはありませんよ。非生産的な趣味に比べて、よっぽど凄いと思います」
「やりたいことをやっていただけだからな、別に生産性を追求したつもりもない。………まぁ、結果的に誰かのためにこの技術が役に立ったことは多々あったがな」
思い出すのは、学生時代の自分。
他人からは便利屋とでも思われていただろう。それだけ私は頼まれ事により毎日奔走していたからな。
そのせいで、人並みの娯楽というものとは縁遠い人生を過ごしていた。
それに関して不満はないが、それについて色々と指摘されたことはあるから、自分が正常ではないことは今ならきちんと把握できる。
逆に言えば、昔の衛宮士郎は自分が異常だと認識していなかった。
確かにこの理想は間違いではなかった、が―――だからといって自分の在り方が正常なのかといえば、まるで違う。
異常であることを受け入れ、それでも尚理想に殉じて生きることを決意した今の私こそ、エミヤシロウという個人であり、正義の味方の新たな可能性でもある。まぁ、その中に更に幸せを掴むという条件も追加されているが。
「やりたいこと、ですか」
「君にだってひとつやふたつあるだろう?見た感じまだまだそういう年頃だろうし」
その問いに、初めて少女は答えを躊躇う様子を見せる。
「………どうやら軽率な質問だったようだな。すまない」
「い、いえ。いいんです。寧ろこの問い掛けに答えられない私がおかしいんです」
作業を一旦止め、少女へと振り返る。
―――その表情はどこか無理をしているようで、胸が締め付けられた。
「おかしくはないさ。誰にもそれを強制する権利はないし、もしその事実に引け目や劣等感を覚えるのなら、これから探していけばいい。無責任かもしれないが、カタチは何であれ本当にやりたいことが出来れば、その過程でどんなに辛く苦しいことが待っていようとも、貫き通す意志は決して折れることはない。………ま、経験談のひとつに過ぎんがね」
「貫き通す、意思―
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