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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
忘却の彼方に待つ世界
epilogue and prolog
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し、流れに逆らおうとしない自分自身にも嫌気が差す。
―――チャンスを、あげましょうか?
突如、そんな声が響く。
それは、脳に直接響いているようにも聞こえ、世界全体に反響しているようにも聞こえる。
どこにでもいるし、どこにもいない。そもそも声の主に明確な個が存在するのかさえ怪しく思えた。
―――彼女の言葉、無駄にしたくないでしょう?
声色は分からない。
その喋り方で語り手は女性だと仮定する。
いや、それでさえも確定要素たり得ない。
この声の主からは、常識では計り知れない何かを感じる。
そもそも、英霊の座にいる私に干渉している時点で普通ではない。
しかも、不特定多数ではなく明らかに私にのみ対象を絞った発言。
どんな目的で接触してきたかは知らないが、まともな手合いではないのだけはわかる。
どうせ今すぐ消えるのだ。このまま無視を決め込もうと思っていたのだが、
―――残念だけど、貴方の思惑通りにはいかないわよ?
消えかかって私の身体は、いつの間にか元の状態に戻っており、記憶も鮮明になっていく。
しかし、それだけに留まらず私の知らない記憶までもが流れてくる。
目線の高さから自分の視点だというのは理解できたが、これは一体どういうことだ?
アインツベルン城で一人ヘラクレスと対峙する光景。
影の猛攻により左腕を失った衛宮士郎に、満身創痍な私の左腕を移植し、消える刹那の光景。
七騎のサーヴァントがさも当たり前のように現界して、日常を謳歌している光景。
どれも私の知らない場面であるにも関わらず、紙が水を吸うかのようによく馴染んだ。
まさか、座に保管されていた英霊エミヤの記録がこの映像の正体だというのか?
だから例えこれが別の英霊エミヤが視てきた光景だとしても、同じ器から溢れたものである以上違和感とは無縁だと。
しかし、それでは同じ現象がすべてのエミヤに反映される筈。
凜に召喚された時だって、こんな現象は起きなかった。あくまで本を読むような感覚でのみ、情報を手に入れられた。
ここまでお膳立てされていれば、この現象さえもこの声の主が原因だと簡単に理解できる。
どうやって、だなんてことは考えない。考えたって無駄だし、それよりも重要なことが目の前にある。
――――――貴様は誰だ。
素直に答えてくれるとは思わないが、万が一ということもある。
しかし予想通りと言うべきか、私の問いは簡単に受け流され、更なる質問をされる。
そんな事はどうでもいいじゃない。
私は貴方に質問をしているだけ。
そして貴方は私の質問に答えるだけでいい。
―――さて、答えは如何なものかしら?
芝居のかかった口調で、答えを促してくる。
確か
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