暁 〜小説投稿サイト〜
寄生捕喰者とツインテール
ヒーロー(マスコット)サイドと捕食者サイド
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い食料を喰い続けていれば栄養失調に陥るように、属性力の吸収量が少なければある問いを境に急速に衰える可能性が高くなる。

 テイルレッド達が倒すと怪人は爆発してしまい属性力を食べる事が出来ないし、戦ってから分かった事だが瀧馬の攻撃は云わば食材を熟成させているのに対し、テイルレッド達の攻撃は食材を痛めている様なものだという事も分かり、より多く属性力を取り入れるにはテイルレッド達を押しのけてでも前に出なければいけない。

 そして事情を説明しようにも言葉が足りない……更に後述する“ある事”が特にネックとなってしまっており、だからこそ共闘は難し過ぎるのだ。 



「それで……体をつくる方は如何だ?」

『予想よりもちょっと時間がかかるが問題無くやれそウダ。安心しろよ相棒(バディ)

「おう、それだけ聞ければ充分だな」




 彼にとってはもう一つの問題、此方も死活問題と言える体の再構成は、ラースの言葉を信じるならば特に支障なく実行できるらしい。

 軽く溜息を吐いた後で、瀧馬は浮かんでいた笑顔を打ち消し、今度は気分の重さを如実に表す大きなため息を吐いた。



「しかしなぁ……まさかあんな事になるとは……」

『前にも言っタロ、本能ってのは凄いんダゼ』

「や、まさかキャラが変わる程だとは……」



 この会話の元と名言っているやりとりも、ゴリラギルディのとの戦闘前に交わしていた。

 変換効率の件を聞いた後に、何やら叫んでいるゴリラギルディの言葉を無視し特攻しようとした時、ラースが瀧馬を止めてこの様な事を言ったのだ。



(『相棒、忠告しとクゼ』)

(「なんだ?」)

(『本能と感情に飲まれるナヨ。自分をしっかり保っテナ』)

(「……どういうことだ?」)

(『言葉通リサ』)



 考え度も答えが浮かばなかった為、瀧馬はラースの言葉の意味をよく理解しないままゴリラギルディへ突っ込んで行った。

 瞬間、彼の鼻孔を今まで嗅いだ事の無い様な、高級料理にも似た芳醇な匂いが刺激した。そしてその匂いの発生源を見た途端……彼の中にあった理性がはじけた様な音がし、うち半分を本能が支配した感覚が襲った。



(「あぁ……いい臭い……美味しそう…………“じゅるっ”)」

(『相棒? オイ相棒!?』)

(「無理、我慢無理……いただきます♪」)

(『おお意外と可愛い……じゃ無クテ!! 気をしっかり持てって相棒ーッ!?』)



 瀧馬は自分のキャラクターが崩れた事もいとわず食欲滾る本能のまま突撃し、漸く少しだけだが我に返ったのはゴリラギルディへ止めを刺す時だった。……その後も香りにつられ理性が飛びそうになっていたのだが。




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