ヒーロー(マスコット)サイドと捕食者サイド
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唯一分かっているのは、総二達が一昨日戦ったフォクスギルディや初戦の相手であるリザドギルディよりも強い相手の一撃を容易に止めた事ぐらいだ。それでも十分脅威ではあるが、これだけで対策は立てられない。
彼女の映像をもう一度流し、その映像が終わった後、津辺は気に入らないと眉をひそめる。
「ホント気に入らないわこの子、気に入らない」
「そりゃ俺も残酷すぎるとは思うけどさ、もしかしたら何か理由があるかもしれないし……」
「違いますよ総二様。気に入らないのは私も同じですが、愛香さんが言っているのはそこじゃあないんです。ここですよ」
白衣の様なコートの様な上着のポケットからポインターを取り出して、トゥアールは絵以上に移った少女のある一点……胸部に相対する場所を指す。
「胸?」
「そうです!」
平坦な声で坦々と進めていたかと思うと、トゥアールはいきなり声を張り上げ出した。
「愛香さんが気に入らないのはこの子のおっぱい! 彼女はテイルレッドよりは大きいですがまだ幼女と例えられる身長……なのに肝心のおっぱいは愛香さんを何倍しても物理法則がねじ曲がっても到達できない巨乳でばぁぁぁぁっっ!?」
無言で肘関節を逆方向に曲げられて説明は途中で中断させられる。
いつもの事なのか暴力の応酬となっている場から観束は眼を外して、ストップしている映像の方へ視線を向けた。
ツインテールバカ一代である彼は他の部分に目がいかないので言われるまでは気が付いていなかったらしいが、言われてみれば確かにトゥアールよりは小さいのだが、身長には似合わない大きさの胸を持っている事を観束は認識する。
と、ここまで沈黙を保っていた四人目が、不意に口を開いた。
「やはり……この時が来たか……来てしまったのね」
重苦しく意味ありげなセリフを口にしたのは、特撮で見かけそうな悪の組織の女幹部が来ているコスチュームに身を包んだ、容姿整っている女性だった。
言葉からするに紫の少女に付いて彼女は知っているのだろうか……そんな勘ぐりは、観束の次の言葉で完璧に否定された。
「いい加減何も知らないのに思わせぶりなセリフを吐くのは止めてくれ……つーかコスプレなんかしないでくれよ、『母さん』」
そう、彼女こそが中二病なマスターであり、同時に観束の母親でもある観束未春なのだ。観束……否、総二の苦悩も当然だろう……何も分かっていないのに期待させる様な言葉を紡がれても気が抜けるだけだし、何より三十代という年齢だけなら兎も角、子持ちの母親がコスプレしているのを実の息子が見るのは何より苦痛だろう。
なまじ似合っているので止めにくいのも、
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