ヒーロー(マスコット)サイドと捕食者サイド
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限り問答無用で相手の属性力を喰らいに来る事が分かる為、標的にされたらそこで終わりとなってしまう。
属性力の塊であるエレメリアンは直接食べていたが、それが肉体を持つ人間相手だとどうなるかは分からない。だが、捕食行動が吸引だろうが咀嚼だろうが、どちらにせよ危害が及ぶ可能性はあるのだ。
「そうですね、喰われたらもう終わりです……何かまるで童貞と処女みたいですよね! ああ! 私も今宵は雰囲気に任せ総二様の股間に実る青い二つの果実を吸って―――」
「久しぶりに真面目かと思ったら結局そこに帰順するかおどれーーーっ!!」
「ぐほばえん!!??」
何やら話を脱線させだしたトゥアールを津辺が思いっきり蹴り飛ばし、トゥアールはギャグ漫画張りの高速回転ですっとんで壁にぶつかった。
真面目の話の途中で下ネタに持っていこうとしたのだから当然と言えば当然の報い。しかし、同時に津辺も勢いを付けて頬骨辺りへ飛び蹴りを当てるなど、普通にやり過ぎである。
「いたた……そうやってすぐに手を出すからテイルブルーは蛮族だって言われるんですよ!」
「うっ……だ、だけどいきなり話を変な方向へ引っ張ったあんたも悪いわよ! 本当に冗談じゃ済まないかもしれないのに!」
「それぐらい見逃してください! そういう大らかな心を持たないから何時まで経っても、余裕の無い心の様なマナ板ボデーなんで―――」
「私の痛烈なソバットがヒットォッ!!」
「心の底からジャストミートォォッ!?」
ラッパーの如く韻を踏んだやり取りとラップもクソも無い豪快な回し蹴りが織りなされ、トゥアールはまた勢いよく転がった。
このまま続けていても仕方が無いだろうと観束が仲裁に入ってようやく二人の興奮は収まったが、争いは幻だったといわんばかりに切り替えたトゥアールとは違い、津辺はまだまだ覆いに不信感があるか睨みつけていた。
咳払いを一つしてから、トゥアールは自分の所為で途切れていた説明を再開する。
「大丈夫だという理由は一応あります。人里近い場所であったのにアルティメギルを倒したと思ったらすぐに去った事です。もう一度言いますが街は近かったので、食べるならそちらに行く筈ですしね。まあ、お腹一杯になっちゃったという可能性もありますが……」
「何にせよ注意しなきゃいけない相手だよな」
本当ならここから更に遡り戦闘シーンも見るべきだが、如何せん彼等が到着したときには既に必殺技と思わしき暴風が放たれた後で、それ以外に実力を表せる要素が無い。
つまり、現時点では彼女の素性や実力、目的などはサッパリな状態なのだ。此方に牙をむく存在なのかも分からないし、先にも言ったが実力の程が分からないので対策の立てようも無い。
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