暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
番外之刻
東方春眠暁
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れ程いるのだろうか。

「レイム………ね。こんなところに人間が来るようなものじゃないわ」

「まぁ普通の人間ならこんな場所酔狂でしか来ないでしょうね。素面なら尚更。
でも残念だけど、今起こっている異変の解決の糸口がここにあるって思って。気が進まないけどね』

「異変って、生物が昏睡状態になったこと?」

「そうよ。貴女も私と一緒の理由で来たんじゃないの?」

最初こいつが犯人かと勘繰ったが、あの時の哀しい姿がそれを否定した。
もしそうじゃないとすれば、この桜が妖しいと春の妖精だから感じ取ったとしか思えない。

「ちょっと違うわ。私はここに来る前から異変の正体を理解してたわ」

「本当?じゃあ教えてくれないかしら、後は私がさくっと解決できると思うし」

「無理よ、少なくとも貴女だけではね」

素直に教えてくれるかと思いきや、次に出た言葉はまさかの否定。

「これでも私、数々の異変を解決してきてるから頼もしいわよ?」

「そう―――なら、貴女は現象が敵だろうと解決できる?」

現象が―――敵?
その意味を理解できない私に、リリーが続ける。

「昏睡の正体は―――桜の木。というよりも春そのものね。春という現象が、春の象徴である桜を媒介として行ったことよ」

「はぁ?」

「そうね、幻想郷中の桜が意思の様なものを持ったって考えて。この枯れた桜のように。ひとつひとつの力は限りなく弱い―――とは言ってもそれはあくまで齢を重ねた年期あるものと比較する場合だけど、異変と呼べる程の桜の量………その力は生物が勝てる様な代物ではない。喩えどんなに最強と詠われていたとしても」

つまり、桜が原因なのは確定。
その力は紫さえも昏睡させる力を持ったとんでもないもの。
春というものは物理的な解決方法は無いだろうし、リリーの言う通り私のやり方では無理があるのかもしれない。

「桜の木を全部切っちゃうとかは?」

「それでも解決しなくはないけど、問題はその後ね。自然のバランスが崩壊すれば、おのずと生物にも被害が現れる。幻想郷中の木々が桜の木になった今、それらを全て破壊すれば………想像できるでしょ?」

「うん、まぁ………」

何というか、妖精に物を教えられる日が来るとは思ってもいなかった。
普通妖精って頭が悪いという風に伝わってるけどどうにもその情報には語弊があったようだ。

「それに、自然のバランス云々よりももっと勧めない理由があるの」

「他にもあるの?」

「まず、どうして春が擬似的意思を持つに至って住民がこんな状態に陥ったのか―――思いつくかしら?」

そこは盲点だった。春という前代未聞の相手の犯行動機だなんて思いつか
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