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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
番外之刻
東方春眠暁
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対無二の存在ではない。
でも西行妖、あれは………手を出してはいけない領域にある。
直感………というよりも本能に近い形で理解しているのかもしれない。
あれは―――そう、伝承とかで聞いたことのあるパンドラの箱みたいなものだ。開ければ取り返しのつかない結末へと無条件で辿り着く。
そんなもの、本来なら近づくことも御免なのだが―――今回だけはどうしようもない。
裏庭に辿り着いた矢先目についたのは、やはり西行妖―――ではなかった。
その大木の下、世界と同化したかの様に佇んでいる金の長髪の少女の姿が、何故だか一番に目に焼きついた光景だった。
この視界の中、最も矮小な存在であった少女が何故こうまでも存在感を放っている?
とにかく、私はその少女が何故こんな誰も寄り付かない様な場所で天を仰いでるのかが気になった。もしかすると犯人それに準ずる何かかもしんないし。
「貴女、どうしてこんなところに」
問いかけるも、少女は魂の抜けた様に不動のまま反応がない。
骸の如く静然としていた少女は、ただ呟きを残すのみ。
「桜が、悦んでいる………?」
少女の横顔は悦んでいる、という言葉とは反して顔色は憂いにしか包まれていない。
そんな中私の気配に気付いたのか、そんな表情を隠すことなく此方へと振り向く。
「――――――?」
振り返る少女は、よく見ればどことなしに見たことある服装と装飾をしていた。
色はほぼ完全に白で統一されており、リボン付きの三角の帽子にフリル袖のドレスにロングスカートには統一してピンクのギザギザ模様がでかでかと刻まれている。
シンプルイズベストなその姿は、幻想郷の住人ならば一度は見たことがあるであろう程有名な現象の象徴。
「―――リリーホワイトじゃない」
リリーホワイト。春という現象を象徴する妖精。
彼女が通る道は春が訪れ、満開の桜が開花する。
彼女が辿る道は彼女の綺麗な春を告げる声が響き、誰もが春の訪れを理解する。必要不可欠な存在。しかし春を告げる妖精である故、その時期から外れれば別の場所へと飛び立つ運命にある。
そんな状況下でも、彼女を見れば常に笑顔だった。でも今の彼女はその時の笑顔は欠片ほどもなく、魔逆の儚げな姿だけが存在している。
「そういう貴女は誰?」
「私は博麗霊夢。巫女をやってるわ」
確かに彼女は有名だ。でも彼女自身がそれに比例した数の知り合いがいるかといれば別。
外の世界で言う大統領とかそこらの存在と一緒で、知名度の高さは世界になんらかの形で大々的に伝わりはするが、それは決して直接的なものではない。
各言う私も彼女と会話するのはこれが初だ。
彼女という存在を知り、こうやって言葉を交わすだけでもした存在はど
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